株価はダマせても出来高はダマせない!


 では、金融危機後に資産を倍増させたトレード方法とは?

  「基本的には順張りのスイングトレードで、出来高とローソク足、自分で引いたトレンドラインに注目しています。あとは新高値や新安値など、節目になりやすいポイントですね。過去に意識されていた価格帯や節目を見て、売り方と買い方の攻防がどう行われているかを想像するようにしています。一応、移動平均線は表示させていますが注意して見ていませんね」

 その中で、くぼっち氏が最も重視しているのは出来高だ。

 「株価は投資家をダマそうと思えばダマせると思うんですよ。だって、流動性が低い銘柄なら、誰かが少し買うだけで意図的に株価を上げることができますよね。でも、出来高はダマせないじゃないですか。株価が上がらないように慎重に買い集めていたとしても、その銘柄の出来高には表れる。出来高が増えるということは、確実に誰かがその株を買いたいか、売りたいか、理由があると思うんですよ」

 例えば、普段は出来高が100万株しかない銘柄で、急に5〜10倍に出来高が増えた場合、そこには必ず理由が存在するというのだ。

 「もちろん、それが突発的なニュースによる場合もあります。その場合は短期間ですぐに株価は下がります。でも、何もニュースがないのに、急に出来高が急増する銘柄を見つけることがある。それは誰かが意図を持って買っているのかな、と推測して乗っていく。もし、ニュースもないのに出来高が急増して株価が上がった場合、全然下がらずに、その後、何段階もドーン、ドーンと株価が上がっていくときは、後になって大手の金融機関の大量保有報告書が出たりすることもありますね。月に1〜2回、『ヘンだな?』という動きがあるので、そういうチャンスを狙っています。ただ、本当に狙っているのは、年に何回かあるデカイ動き。毎日コツコツ増やすというより、年に数回のデカイ波に乗るというイメージですね」

 昨年、燃料電池関連銘柄として注目されて暴騰したGSユアサは、’08年5月から出来高に変化が起こっていたという。

 「おかしいなと思って見ていたら、6月に入ってから『郵便局の集配車を電気自動車に切り替える』というニュースが出て急騰しました」



資金は数回に分けて投入。損は切り、利益だけ伸ばす


 くぼっち氏は今も10億円以上の売買代金がある300〜400銘柄を毎日監視して、その出来高の推移に目を光らせている。

 そして、狙うのは株価が大きく動くときなので、見るチャートは週足と日足が基本。さらに、サポートやレジスタンスがザラ場中にどの程度意識されているかを知るために5分足も確認する。

 そして、実際に売買するときには資金を分割して投入する。

「出来高が増えていようが、上がるか下がるかは最終的にはわからないじゃないですか。買ってみて、当たってたら買い増して、『考えてた通りの動きをするのかな』と思ったらもっと買い増す。そして、最終的にドーンと上昇するクライマックスで売り抜けるイメージ。短くて2泊3日、長くて2週間くらい保有します。含み益があっても、直近の安値を割ったら利益確定しますね。もし、考えてたことが外れてたら? すぐに損切ります。何銘柄か買っていたら、マイナスの銘柄は損切って、プラスの銘柄だけを残していく感じですね」

 自分が予想したシナリオ通りに進まない場合は、潔く損切り、利益だけを伸ばすことも、くぼっち氏の勝利の秘訣のようだ。では、株で稼いだ利益の使い方は?

「4人兄弟を一人で育ててくれた母親に親孝行をしたいのと、教育関係の仕事に興味があるんですよ。大学時代に行ったカンボジアで4か国語を話せる人が日給6ドルで働いてるのを見て、こういう国の人たちがしっかりした教育を受けて、日本や世界で働いたら相当なイノベーションが起こって、豊かな世の中になりそうな気がしませんか? だから今、海外で学校をつくるNGO団体に寄付して学校をつくってるんです。日本の学校での金融教育にも興味があります」

 ネオ株長者のカネの使い方はどこか欧米の富裕層のようだ。






■くぼっち氏
投資歴9年の29歳。トレーダーをしながら会社経営にも参画している。
今は日本株だけでなく、FXでも高成績を記録している