2009/12/17 EMCOM証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、FOMCの政策発表を控えて様子見ムードが一段と強まったことから、ドル円は明確な方向感を見出すには至らず、89.50円から89.80円の狭い値動きが継続した。その後のCPIや住宅着工件数などの経済指標はほぼ予想通りとなって、レンジ内の取引に終始した。FOMCでは低金利政策の維持について「長期間に渡って」との文言が変更されるとの期待もあったが、結局は「金利を長期間極めて低い水準に維持する」と再確認する結果に。しかし「金融市場」「経済活動」「労働市場」では前回会合から上方修正されたことが好感され、一時89.978円まで上値を拡大し89.769円で引けた。

ユーロ円は昨晩、監視リスト入りが報道されたオーストリア大手銀のフォルクスバンケンのスポークスマンが「監視リスト入りの話は聞いたことがない」と否定するコメントを出したことや、12月独PMIは製造業(53.1)サービス業(53.1)ともに事前予想を上回る好結果に。PMIは“50”が業況判断の分かれ目とされるが、製造業は3カ月連続・サービス業は5カ月連続で50超えし、ユーロ上昇のサポート要因となった。しかし、ギリシャやオーストリアなど、ユーロ圏の信用不安が重石となって上げ幅は限定的で結局130.495円で取引を終えた。

一方のポンド円は堅調。英国の11月雇用統計で失業率が5.0%と事前予想(5.1%)より好結果になり、また失業者数も前月比-0.63万人と事前予想(+1.25万人)に反して減少したことが好感された。なお、英国で失業者数が前月比で減少したのは2008年2月以来となり、2日続伸の146.638円で引けた。

豪ドル円はクロス円では唯一軟調となった。豪第3四半期GDPが前期比0.2%・前年比0.5%と事前予想(前期比0.4%・前年比0.7%)を下回る結果となった。これに加え、バッテリーノRBA(豪準備銀)副総裁が「金利政策は通常のレンジへと復帰している」と発言。一昨日公表されたRBA議事録の「2月まで金利を据え置くことも議論した」との内容に引き続き、RBAが利上げを一旦休止させる可能性を改めて意識させるものとなったことが重しとなって80.825円で取引を終えた。

さて本日のドル円だが、FOMCは現行のFFレート誘導目標レンジ0.00−0.25%を維持すると発表し、サプライズとはならなかったものの、特別流動性供給策を来年2月で終了させる見通しを示した事が評価されている。さらにシティ・グループやウェルズ・ファーゴといった米銀大手が相次いで公的資金の返済を決めたことから、米金融正常化期待がドルの信認を高める可能性もあるだろう。また、日本の景気回復の遅れや財政悪化懸念を背景に円の割高感が強まっており、ドルが徐々に下値を切り上げ、90円を示現する可能性もあるだろう。

一方、ユーロをめぐる環境は厳しくなっている。格付け機関S&Pはギリシャの長期格付けを引き下げ“BBB+”
に、「見通しはネガティブを継続」。また、アイルランド、ポルトガルなどユーロ参加国一部のソブリン・
リスクが高まっている上、オーストリアの金融システム不安が急浮上しており、ユーロ圏の地合いが悪化し
ている状況にある。今後、ユーロ圏金融機関に対する不安がどこまで広がるのかを見極めるまではユーロ上
昇の足枷となりそうだ。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円  89.30-91.00
ユーロ・円 128.50-131.00
ポンド・円 144.50-147.00

【今日の主な経済指標】
14:00(日) 10月景気動向指数CI(改定値)
18:30(南ア) 11月生産者物価指数
18:30(英) 11月小売売上高
21:00(加) 11月消費者物価指数
21:00(加) 11月消費者物価コア指数
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数

≪2009年12月16日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ベア」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
FOMC声明で「金利を長期間極めて低い水準に維持すると再確約」としたことを受け、
FT紙が「公定歩合を引き上げる」との観測記事を手がかりとした早期利上げ期待が後
退した。しかし、「労働市場の悪化は和らいでいる」「金融市場、経済成長を一段と
下支える状況となった」と明るい見通しも示し、FRBの景気見通しが改善していると
の観測が参加者を「強気」にさせている。


ポンド円は「ブル」
雇用統計の上振れや、ギリシャのソブリン・リスクやオーストリアの金融不安が高ま
ったことでユーロを敬遠しポンドに逃避する動きが出て、ポンド円は堅調となった。
しかし、参加者は欧州のソブリン・リスクの高まりが、いつ英国に飛び火するか解ら
ない状況に売り買いは拮抗。僅かに「ブル」が勝ったものの、市場では当面欧州通貨
全体を敬遠することも否定できず、神経質な展開が予想される。


豪ドル円は「ブル」
豪追加利上げ観測が後退する中、失望売りが優勢となり80.198円まで下落。また、
年末にかけてはドル・キャリートレードが巻き戻される可能性や、商品市場の上昇が
一服している状況にあり、下値リスクには警戒したいところだ。しかし、参加者は、
豪準備銀行の「豪経済が予想通り回復すればさらに政策金利を引き上げる必要がある」
との発言もあり、追加の利上げ余地の可能性は残されているとの判断からか、下落局
面では押し目買いが優勢となって「ブル」は継続された。


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