2010/9/17 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は東京市場序盤、本邦輸出企業のドル売りが優勢となり85.45円付近まで反落したものの、菅首相の「円相場の急激な変動は決して容認しない。今後も必要な時には断固たる措置をとる」との発言を受けた介入警戒感から、85.60円付近へと小幅に反発するなど底堅い展開となった。欧州勢参加後も中国の金融引き締めや銀行の自己資本比率引き上げの思惑から上海株が軟調に推移したことを受けてリスク回避の円買いが強まる場面もあったが、85.00円付近にかけては政府・日銀の介入警戒感が強く下値は限定的となり、概ね85.60円付近のレンジで推移した。動意のないままNY時間に移行し、米新規失業保険申請件数など、複数の経済指標が発表されたものの、各指標が共に事前予想から大きく乖離した数値にはならなかったことで欧州時間から続くレンジ内で小動きとなった。しかし、引けにかけダウが底堅い値動きを見せると85.926円まで上昇し、その後も高値圏でもみ合い85.901円で取引を終えた。

ユーロ円は序盤、日経平均が冴えない値動きとなり、上海株も軟調な値動きとなるなどリスク回避の円買いが強まったほか、政府・日銀による介入がみられなかったことも失望となり、東京市場では110.60円付近まで下落。しかしその後はGLOBEXのNYダウ先物が下げ幅を縮小する展開となったこともあり、欧州市場に111.30円付近へと反発すると、英小売売上高指数の大幅下振れを受けて対ポンドで大きく上昇すると、対円でも連れ高となったほか、スペインの国債が10年債、30年債の入札を行い、計40億ユーロの資金調達に成功したことが好感され、ユーロ買いに弾みがつき111.75円付近まで上昇した。NY勢参加後も日本の通貨当局の介入への警戒感や、ダウが前日比+22.10ドルの10594.83ドルで引けるなどリスクが選好されると112円台を示現し、112.340円で取引を終えた。


本日の展開


FRB(米連邦準備制度理事会)を始めとした各国の中央銀行は、今回の政府・日銀による介入についてコメントを控えるなど黙認の姿勢を示してはいるものの、ユンケル・ユーログループ議長からは「単独での行動は、世界の不均衡に対処するうえで適切な手段ではない」との発言がみられ、各国協調を伴わない単独介入の効果を疑問視する声もあり、今後は各国通貨当局の対応を見極める必要があるだろう。

本日のドル円は、心理的節目となる86.00円付近では、来週に控える米FOMCによる追加緩和策への思惑から売りが出やすい展開が予想されるが、介入警戒感は引き続き強く、慎重な戻り売りにとどめておくのが賢明だろうか。また、テクニカル面では下落トレンドを形成するレジスタンスを上抜けたことで、8/13の高値86.370円や、一目均衡表の雲の下限86.50円付近が次のターゲットと考えられる。上抜けした場合には、今年5月の高値と9月安値の38.2%戻しにあたる87.50円付近がターゲットになると思われる。しかし、為替介入によって人為的に上昇した相場をテクニカル的に分析できるかは不透明であり、ダマシの可能性は否定できないだろう。

ユーロは全般的な株価堅調を受けてリスク選好が回復している上、欧州の信用不安・金融システム不安の沈静化を背景に、ユーロ自体の地合いも好転していると見ることができよう。また、 FRBの追加金融緩和観測から米国債利回りは低下傾向にある中、日本が介入に伴い購入したドルで米短期国債を買い入れするとの思惑から、米国債利回りの先安感が一段と強まる可能性がある為、対ドル、対円ともに強気スタンスで臨みたい。テクニカル的には日足一目均衡が雲上下限となる111.00−112.00を一気に上抜けており、本日は雲上限の111.80円付近が短期的なサポートラインとして意識されそうだ。また、上値の目安は8月の高値である114.171円を試す展開が視野に入ったといえようか。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 84.50-86.80
ユーロ・円 111.70-112.70
ポンド・円 132.00-135.40

【今日の主な経済指標】
15:00 DEM 生産者物価指数
17:00 EUR 経常収支
18:00 EUR 建設支出
21:30 USD 消費者物価指数
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数

≪2010年9月16日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
当局の介入ラインを85円付近とする見方や、介入余力はFBの発行枠残高からあと30
兆円程度あるとの見方もあって参加者は安心感から「強気」スタンス継続となった。
しかし政府・日銀の介入効果には懐疑的な意見も多く、事実単独介入で過去に円高を
是正した例は無く、一時的な値動きとなる可能性もありそうだ。また、今回の介入は
中間期末を控えた本邦輸出企業への売り場提供と考える事ができ、ショートカバーの
一巡後は警戒が必要となるだろう。


ポンド円は「ベア」
英小売売上高指数が予想を大幅に下回るなど脆弱な英ファンダメンタルに参加者心理
は「弱気」へと変化した。政府・日銀による6年半ぶりの円売り・ドル買い介入を受
けたサプライズが一巡し、日本の介入姿勢を試す局面へと移行しそうだが今後、政府
・日銀による大規模介入が継続されない場合は、本邦当局のスタンスは弱気との見方
が広がる可能性もあるだろう。ポンド自体は買い材料が乏しく、英中銀の資産買い入
れ枠拡大の可能性もくすぶっていることから、介入を見送った場合は下値が脆弱とな
るかもしれない


豪ドル円は「ブル」
ロウ豪準備銀行総裁補佐は「豪経済は今後数年にわたり非常に好調となるだろう。中
国・インドの都市化によって、資源需要は長期にわたり非常に強い見通し」と強気の
見方を示した事や、日米欧の金利差拡大をアドバンテージに「ブル」は継続された。
株式・商品市場が全般的に底堅く推移している上、日米の金融緩和観測が強まってい
ることもあり、今後も買い意欲は旺盛と考えられる。


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