ピンチの後にはチャンスあり。業績のいい銘柄も悪い銘柄も一緒くたに売られているこの欧州危機をチャンスに変えることはできないのか? 前出、本吉亮氏はこう語る。

 「いわゆる"ユーロ安デメリット株"がチャンス。というのは、ユーロ安が急激に進み、欧州売上高比率の高い銘柄が必要以上に叩き売られてきました。逆にいうと、欧州危機が終息しユーロ安が止まれば、急激なV字反発が期待できるのもこの銘柄たちなのです」

 "売られすぎ銘柄"を買うのは、逆張りとしては王道の投資法。そこで、「ユーロ安デメリット株=欧州危機終息で反発期待が大きい株」をランキングしてもらった。

 「まず、①欧州売上高比率の高さは外せません。そして、これだけユーロ安が進むと、②今期の想定為替レートも気になるところ。さらに、テクニカル面で大きく売られているかどうかを数値化するために、③4月5日から6月1日までの株価下落率を計算しました」

 ①の欧州売上高比率は、欧州市場への依存度を示す。当然、高ければ高いほど、欧州経済の動向が業績に直結するので、比率が高い銘柄ほどV字回復の期待が持てるということになる。次に②今期の想定為替レート。輸出企業にとっては、ユーロ安が進むほど業績が悪化する。つまり、数値が高いほど損失を抱えやすく、過剰に売られやすい。そのため、ユーロ安が止まれば、数値が高い銘柄ほど、反発力は強いと想定される。③の株価下落率も②と同様で、売られすぎた銘柄ほど、反発も大きくなるはずだと考えられる。これら3つの偏差値の平均を算出し、高い順に並べたのが下の表だ。

 5月は株もユーロも大幅に下落したが、これは欧州のヘッジファンド規制を嫌気した売りだったという見方もでてきている。また、ヘッジファンドの決算月でポジション調整も重なった。次は8月。その動向から目が離せない。






■本吉 亮氏
T&Cフィナンシャルリサーチ調査部マネジャー。
日本株の調査・分析などを担当。データを重視した銘柄選びに定評がある。