先進諸国経済が度重なる金融危機により停滞する今、注目度をましているのが途上国におけるBOPビジネスだ。「BOP」とは、年間所得が3000ドル以下である「ボトム・オブ・ザ・ピラミッド(途上国の低所得者層)」のこと。世界中で約40億人、実に世界人口の70%を占めると言われる。T&Cフィナンシャルリサーチの本吉亮氏によれば、「BOP市場は4兆5000億ドル以上に上り、今後は特にアフリカに期待が集まっている」という。

 「アフリカ50か国で人口9億人、GDP1・2兆ドルと、ともにBRICsの29億人、8・7兆ドルにはまだまだ及ばないものの、特筆すべきはその高い人口増加率。2050年には、世界の人口の20%を占めると推定されています。一方で、南アフリカやリビアなどは一人あたりGDPも高く、市場として十分魅力があります

 中国の一人あたりのGDPが3600ドルなのに比べ、リビアは9600ドル、南アフリカは5600ドル、チュニジアとアルジェリアが3800ドルと遜色ない。さらに、800ドルのケニア、1000ドルのナイジェリア、2450ドルのエジプトなど、今後の底上げの期待が持てるという。


 「アフリカ大陸で初めてサッカーW杯が開催され、今後もインフラ需要に加え、食品や家電などの生活必需品の分野は拡大していくはず。今のところ、すでに進出している韓国企業の後塵を排していますが、これから本格的に参入する国内企業は増えていくでしょう」

 味の素はアフリカ・中東を中心に海外事業費を倍増、住友化学はマラリア防止用に開発した蚊帳が黒字化、三洋電機を買収したパナソニックは打倒サムスンを目指すなど、熱を帯び始めたアフリカ市場。未発展な分、その潜在的な可能性は計り知れない






■本吉 亮 氏
T&Cフィナンシャルリサーチ調査部マネジャー。
日本株の調査・分析などを担当。データを重視した銘柄選びに定評がある。