最後発ながら、iPhoneという強力な武器と格安料金プランでケータイ市場を席巻してきたソフトバンク。しかしここにきて、まったく予期せぬ逆風が吹き始めた。総務省が、現状のケータイ端末に施されているSIMロックの解除に向けたガイドライン案をまとめたのだ。

 現在の端末にはFOMAカードのように、電話番号を特定するためのID番号などが記憶されたICチップが挿入されている。これが「SIMカード」と呼ばれるものなのだが、実は特定の通信会社の端末でしか使用できないようにロックがかけられている

 特定のSIMカードのみしか使えない状態を「SIMロックがかかっている」というが、総務省は'11年4が鵜以降に発売される端末から、その解除を求める方針を打ち出したのだ。当面は義務化せず、通信会社の自主的な対応となるという。ただ、すでに米国では解除が通信会社の自主判断となっているが、話題独占中のiPadもSIMロックフリー(SIMロック解除)方式での発売となっている。

 「フランスやイタリアのように解除を法律で定めた国もあります」

 こう指摘するのは、フィスコの岡村友哉氏。では、日本でもロック解除が現実となってくると、ケータイ業界にはどんな変化が?

 「やはり、最もオイシイ思いをするのはNTTドコモですね。現状の通信方式はドコモとソフトバンクが同一で、auのみが異なっています。ロック解除がされても、au端末で他社のカードは使えないのです。その結果、iPhoneは欲しいものの、基地局不足で繋がりにくいソフトバンクに不満を抱く人がドコモに乗り換えることが考えられます

 6月末には総務省の最終方針が決まる模様だが、利用者には解除されたほうが好都合であるし、この流れはなかなか変わらないかもしれない。実際、ロック解除の話が表面化すると、ソフトバンク株の売りが急増した。ほかにロック解除の流れが追い風となる銘柄はあるのか?

 「ど真ん中SIMカードをつくっている日本通信。解除決定を機に、スマートフォン関連全般が物色される可能性も!?」







■岡村 友哉 氏
金融情報などを発信するプロ集団・フィスコの若きアナリスト。
先物やオプションなどのマーケット全般の分析を担当する。