2010/9/14 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、市場の一部で警戒されていた中国の利上げが週末に行われなかったことへの安堵感や、日曜日に国際決済銀行(BIS)バーゼル銀行監督委員会が合意した新自己資本比率規制であるバーゼルⅢが市場予想の範囲内だったことで警戒感が後退するなど、リスク・センチメントを高める材料が相次ぎ、週明けの朝方は、対豪ドルや対ユーロを中心に円売りが優勢となり、84.35円付近まで上昇して始まった。しかし、本邦輸出企業のドル売りが強まったほか、明日に民主党代表選を控えて様子見ムードが強かったことから上値を追う展開にならず、東京市場終盤に84.00円付近まで反落した。欧州時間では欧州通貨に対してドル売りが出ると上値を抑えられ、もみ合いの展開となったがNY勢参加後は米10年債利回りが低下幅を広げ、日米金利差の縮小を意識したドル売りが出ると83.70円付近にあったストップロスを巻き込み、一時安値となる83.497円まで下げ足を速めた。売り一巡後はショートカバーが入ったものの、戻りは限定的となり83.644円で引けた。

ユーロ円は中国の金融引き締めを巡る警戒感が後退した上、先週土曜日に同国の経済指標上振れを背景にリスク選好ムードが高まったことも支援材料となり、東京市場では一時107.70円付近まで強含みとなった。欧州勢参入後も欧州株式市場の堅調推移を背景とした欧州通貨買いが優勢となった事に加え、バーゼルⅢが予想以上に厳しい内容とならなかったことから欧州の銀行に対する懸念が後退したことを背景に堅調な推移。また、欧州委員会が中間経済見通しを公表し、ユーロ圏のGDP見通しを従来の+0.9%から→+1.7%へと上方修正したこともユーロを下支えする要因となった。NY市場に入ってもドイツ債とギリシャ債のスプレッドが1週間ぶりに900ベーシスポイントを割り込むなど、ソブリンリスクを巡る懸念が緩和していることがユーロ買いを後押し、一時107.932円まで上昇した。引けにかけても高値圏をキープし107.715円で取引を終えた。

                       本日の展開

本日のドル円は民主党代表選に係る行方に焦点が集まるだろう。各代表候補者は、菅総理が経済対策に関して財政規律型をとり為替介入には消極的な姿勢、また小沢氏は財政出動型で為替に対し積極的介入姿勢とそれぞれ政策と方向性に違いがみられており、勝利する代表によって為替政策がわかりやすい図式となっている。現状では、有利不利については各報道機関によってまちまちだが、前日NYダウが上昇しているにもかかわらず、ドル円が軟調な展開となった事を鑑みると市場では菅総理の勝利を織り込んでいるのではと考える事もできようか。本日16:00に民主党代表の結果が発表予定となっているが、小沢氏の勝利→介入期待→上昇のシナリオや、その後の組閣人事を巡る思惑などから大きく動意付くことも考えられ警戒が必要だ。テクニカル面では、再度5日間移動平均線を下回ったことで地合いが悪化しており、年初来安値の83.344円を割り込む動きとなれば急速に円高が進行する可能性もあるだろう。

ユーロは、バーゼル銀行監督委員会が合意したバーゼルⅢが予想の範囲内にとどまったことを受け、欧州金融機関は資本不足が顕在化するとみられていただけに、安堵感から引続きユーロ買いが活発化する可能性がある。また、先週金曜日に発表された中国貿易統計で輸入が大幅に増加した上、土曜日に発表された鉱工業生産や小売売上高など同国経済指標が予想を上回るなど世界的にリスク許容度は回復しているように思える。ユーロ自体のファンダメンタルが強いとはいえないものの、外部要因から円独歩高の流れがやや修正される可能性があり、バイアスはやや強気と考えることもできる。テクニカル的には25日移動平均の抵抗線である108.25円付近を明確に上抜ける事ができれば、心理的節目である110円台も視野に入ってこようか。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.00-85.50
ユーロ・円 105.70-108.20
ポンド・円 128.00-131.00

【今日の主な経済指標】
13:30 JPY 鉱工業生産
14:30 FRF 消費者物価指数
17:30 GBP 消費者物価指数
17:30 GBP 小売物価指数
18:00 EUR 鉱工業生産
18:00 DEM ZEW景況感調査
18:00 EUR ZEW景況感調査
21:30 CAD 四半期労働生産性指数
21:30 CAD 四半期設備稼働率
21:30 USD 小売売上高
23:00 USD 企業在庫

≪2010年9月13日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
本日の民主党代表選を背景に4ヶ月続いている円高ドル安のトレンド偏向期待から90%以上の参加者が「強気」だ。しかし、白川日銀総裁は「当局が為替相場を自在にコントロールできるわけではない」「円高は長い目でみれば交易条件改善などの面ある」などと消極的な発言を繰り返しており、日銀は円高をさほど問題視していないとの見方も根強い。株式市場が概ね堅調な値動きとなり、米債券利回りも反発となったことで、急激な円高はひとまず一服とみることも出来るが、本格的に円高トレンドを反転させる要因は見当たらず、仮に反発があったにしてもテクニカル的な調整の範囲内にとどまる可能性は低くないだろう。

ポンド円は「ブル」
株高連鎖を背景としたリスク選好の流れとなったほか、バーゼルⅢが予想の範囲内にとどまったことを受け参加者は「ブル」一色となっている。本日の展開だが米中の景気鈍化懸念が後退しており、リスク選好が持ち直しつつあるのはポンドにとっての好材料といえるものの、英国の景気・財政悪化懸念や、英中銀の金融スタンスは依然として緩和寄りにあるとみられており、先行きの資産買い入れ規模拡大の可能性も否定できず、ロングポジションの深追いには注意したい。

豪ドル円は「ブル」
主要通貨の低金利長期化観測は、高金利通貨である豪ドルのアドバンテージとなって「ブル」は継続。米中の堅調な経済指標を背景に景気鈍化懸念が後退しているほか、株高連鎖・原油高を受けてリスク選好が高まっていることから、目先は資源国通貨が上昇しやすい局面となりそうだ。また、バーゼルⅢが想定の範囲内にとどまったことで金融システムに関する不安も後退しており、本日も株価の好調な動きが継続した場合には節目の80円前後を目指す展開も十分考えられよう。

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