2010/9/8 トレイダーズ証券「みんなのFX」

ドル円は序盤、日経平均株価がマイナス圏で推移したことからリスク回避の円買いが進行したが、前場終盤にかけてプラス圏に浮上するとリスク回避色が和らぎ、84.257円まで上昇した。しかしその後、白川日銀総裁が会見し「当局が為替相場を自在にコントロールできる訳ではない」とのコメントが伝わると、市場の為替介入観測が後退し円買いの地合いを強め上値を重くした。欧州勢参入後は、欧州信用不安の再燃などが意識されて株価は総じて軟調で安全資産の円を買う動きは更に強まり、NY時間には8月24日の安値83.588円下回った。その後もNYダウが終始軟調に推移しストップを巻き込みながら安値83.495円まで下落し、引けは83.828円と約15年3ヶ月ぶりの円高・ドル安水準となった。

ユーロ円は、取引を開始して間もなく108.432円まで上昇したが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが「7月に実施された欧州健全性審査(ストレステスト)で一部銀行がソブリン債保有高を少なく申告しリスクを過小に見積もっていた」との分析記事が伝わると、沈静化しつつあった欧州の金融システムに対する不安が再燃、妥当性や信頼性が疑問視されユーロの重しとなった。その後も発表されたドイツ製造受注が予想外にマイナス数値となったことや、米株先物も軟調な展開となったことでユーロ売りが加速。NY勢が参入しても流れは止まらず、ストップを巻き込み、106.256円まで下落し、前日比-2.091円となる106.300円で取引を終えた。


本日の展開


ドル円だが、先週末の雇用統計発表後、世界景気に対する楽観的なムードは高まりを見せたものの、昨日、欧州ストレステストの結果が蒸し返され信用不安が再燃したことから、95年6月以来の円高・ドル安の水準となった。野田財務相は火消しに躍起で、円高是正について「必要なときに断固たる措置をとる。明らかに一方向に偏った動き。日銀と歩調を合わせてしっかりやっていきたい。」、「市場動向を重大な関心持ち注意深く見守る」などと述べたものの効果は限定され、また日銀も金融政策決定会合で金融政策を現状維持と決定したが、8月30日の臨時会合で資金供給策の拡充を打ち出した直後であったということもあり市場の反応は薄かった。地合は再度リスク回避の円買いへと戻ってきているようで、今後はさらに下値を模索する展開も予想される。当面はサポートされていた84.000円の水準を回復できるかどうかに注目したい。

ユーロは、ユンケル・ユーログループ議長が「ギリシャの財政政策の努力は正しい方向性を示すもの」と一定の評価を示したことや、ドイツ卸売・貿易業連合会(BGA)が「経済成長の減速は予想しておらず、受注票は満杯の状態」とし「2010年は10%超の増加が見込まれる」とコメントするなど、プラス材料も散見されるものの、7月に実施された欧州ストレステストに対する疑念が蒸し返され、沈静化しつつあった欧州信用不安が再燃している。また英仏両国では緊縮財政や定年延長に反対する公務員のストライキが発生しており、欧州を取り巻く環境は急速に悪化しつつある印象だ。欧州株も伸び悩んでおり、ギリシャ債とドイツ債の利回り格差も拡大しつつある。リスク回避の雰囲気が再び強まっていることから、本日もユーロ売りが進行する展開も想定され、当面は8月31日の安値106.174円が堅持されるかどうかが焦点となりそうだ。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.50- 86.00
ユーロ・円 105.50-110.30
ポンド・円 127.50-132.50

【今日の主な経済指標】

07:45 NZD 四半期製造業売上高[前期比]
08:50 JPY 機械受注
08:50 JPY マネーストックM2
08:50 JPY 国際収支・貿易収支
10:30 AUD 住宅ローン件数
14:00 JPY 金融経済月報(基本的見解)
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI
15:00 DEM 経常収支
15:00 DEM 貿易収支
15:45 FRF 財政収支
15:45 FRF 貿易収支
17:30 GBP 製造業生産指数
19:00 DEM 鉱工業生産
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 CAD 住宅建設許可件数
22:00 CAD カナダ銀行 政策金利
23:00 CAD Ivey購買部協会指数

≪2010年9月7日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「べア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
欧州ストレステストが疑問視されたことをきっかけに欧州信用不安の再燃し、安全資産の
円を買う動きが強まったが、安値圏では継続して買いが入りポジションは「ブル」。FRB
は7月6日から8月9日の公定歩合議事録を公表した。カンザスシティー連銀とダラス連銀
は公定歩合の引き上げ(0.75%から1%)を求めていたことが明らかとなった。依然として
生産や雇用、個人消費は低迷しているが出口戦略への新たな第一歩を模索する動きがある
ことは、今後のドル買いのサポート材料となりそうだ。


ポンド円は「ブル」
一時128円割れとなったが、安値圏は買い場を捉えられ「ブル」となっている。明日は英
中銀の政策委員会(MPC)が予定されており、政策金利0.5%と2000億ポンドの資産買取プ
ログラムは据え置きとの見方が大方の予想となっている。しかし一方で少数ながら政策金
利0.5%の利上げと資産買取枠が追加されるとの意見も出ているようで、ポジティブサプ
ライズとなる場合は130円を試す展開も想定しておきたい。


豪ドル円は「ブル」
軟調な値動きとなるなか、買いポジションの解消は見られず「ブル」となっている。昨日、
豪中銀は政策金利据え置き(4.50%)を発表した。据え置きとなるのは4ヵ月連続で、注目
の声明では、金融政策は「当面適切」との見方が示された。「当面」という言葉が盛り込
まれたのは2009年9月以来で、その翌月には利上げに踏み切りポジティブサプライズとな
ったが、今回は声明の冒頭で世界経済の下振れリスクに言及したことや豪総選挙で与党勝
利が確定したことによる資源税に対する懸念もあり、利上げには慎重姿勢が窺え、今後は
上値を抑えられる値動きとなるかもしれない。


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