2010/8/30 トレイダーズ証券「みんなのFX」

金曜日のドル円は、前日NYダウが10,000ドルを割れて取引を終えたことで株安連鎖を警戒したリスク回避の動きに東京市場序盤は84円台前半で弱含みとなった。しかしその後は荒井国家戦略相が「首相が今日中に経済対策の基本方針を発表へ」とコメントし、仙谷官房長官も「本日、現在の経済・金融情勢について首相方針を示す」と発言したことから、政府・日銀による円売り・ドル買い介入への警戒感の高まりに買い戻しが先行。軟調に推移していた日経平均が前日比+100円超となり、リスク回避姿勢の後退にも後押しされると、84.80円付近へと上値を切り上げる展開となった。欧州市場では米第2四半期GDP改定値の発表やバーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長の講演を控えて様子見ムードが強まり、菅首相による円高対策も発表されたが、こちらも具体的な内容に欠けるコメントが目立ち84.70円付近で小幅に推移した。NY勢参加後は米GDPが発表され、予想値が1.6%増のなか結果は2.0%増となり、予想よりも強気な結果となったことから85円台に突入。その後も注目されたバーナンキFRB議長の講演で「景気回復継続に向けてあらゆる手段を講じる」と表明したことが好感され、85.30円付近まで上昇した。引けにかけても堅調な地合いが継続し、85.275円で取引を終えた。

ユーロ円は株安連鎖懸念を背景にリスク回避ムードが高まる中、米株安を受けて日経平均が下落して始まったことから、東京市場序盤に107.00円付近まで下落。しかし、菅首相が今日中に円高対応策を表明するとの報道を背景に円を売り戻す動きが優勢になる中、日経平均の持ち直しを受けたリスク選好の動きもあり、東京市場終盤には107.90円付近へと反発した。買いが一巡すると、欧州市場には107.55円付近へと押し戻される場面があったもののの、その後は米GDPやFRB議長講演控えてこう着状態が続き、NY勢の参加待ちとなった。NY時間では「必要に応じて非伝統的手段を通じ金融緩和を行う用意がある」などと述べて長期国債の追加購入などに言及したこともあって、ダウがプラス圏に浮上するとリスク選好の円売りを促しユーロ円はクロス円に連れ高となり、108.878円まで上値を拡大させた。引けにかけても高値圏で推移し108.663円で取引を終えた。


今週の展開


先週末はバーナンキFRB議長の「FRBは必要に応じ追加刺激策実施する用意」といったポジティブに捉えられる発言を受けドル円は85.450円まで切り返しが見られた。菅首相も為替について「必要な時には断固たる措置をとる」とこれまでより円高けん制トーンを強めたほか「白川日銀総裁が帰国次第、官邸で会う」などと発言しており、介入警戒感で一旦は下値リスクも一服となる可能性はある。しかし、円高対応は依然「口先介入」の域を出ておらず、菅首相の金融政策表明も日銀への「丸投げ」であり、実際に円高是正の特効薬はない上、景気対策も財源が限られることから、政府・日銀の円高対応策に大きなインパクトは期待できないと考えられる。今週の米重要指標では消費者信頼感指数(31日)、ISM製造業景況指数(1日)、そして週末に米8月雇用統計に注目が集まるが、住宅関連の回復の遅れや、米GDPの下方修正など米国の景気減速懸念は依然燻っており、脆弱な米ファンダメンタルから米金利低下が予測される。9月3日の米雇用統計発表でポジティブなサプライズがなければ、粛々とした金利低下は否めず、低下傾向を続ければ80−82円台示現も想定しておきたい。短期的なテクニカル面では25日間移動平均線の差し掛かる85.80円付近ではレジスタンスラインとして意識され、明確に上抜けできるかどうか注目される。

ユーロは、タカ派ウェーバー独連銀総裁による「ECBは年末まで流動性供給のコミットを続け、来年1Qには出口政策を」との発言を手掛りに底堅い値動きも予測される。しかし、基本的には南欧の一部ユーロ加盟国の長期的な債務返済能力に問題があり、欧州圏で財政基盤が磐石のドイツの国債への資本逃避が旺盛になり、ドイツ国債の利回りはさらに低下傾向が続くとすればユーロの上値は重くなりそうだ。また、対円においても大規模な円売り介入や思い切った追加金融緩和は考えにくく、円高対策で打てる手段は限られていることから、政府・日銀の円高対応策に大きな期待は出来ないだろう。世界景気の鈍化懸念を背景としたリスク回避ムードも高まりつつあり、市場のセンチメントもブレやすくユーロの神経質な動きが予想される。市場のムードをみて柔軟に対応したい。

[今週の予想レンジ]
ドル ・円 80.00-87.00
ユーロ・円 103.00-111.00
ポンド・円 126.00-134.00

【今週の主な経済指標】
30日
07:45 NZD 貿易収支
12:00 NZD NBNZ企業信頼感
18:00 EUR 消費者信頼感(確定値)
21:30 USD 個人消費支出
21:30 USD 個人所得
21:30 CAD 原料価格指数
21:30 CAD 鉱工業製品価格
21:30 CAD 四半期経常収支

31日
07:45 NZD 住宅建設許可件数
08:01 GBP GFK消費者信頼感調査
08:50 JPY 鉱工業生産・速報値
08:50 JPY 小売業販売額
08:50 JPY 大型小売店(既存店)販売額
10:30 JPY 毎月勤労統計調査-現金給与総額
10:30 AUD 住宅建設許可件数
10:30 AUD 経常収支
10:30 AUD 小売売上高
14:00 JPY 新設住宅着工戸数
15:00 ZAR マネーサプライM3
16:55 DEM 失業率
16:55 DEM 失業者数
17:30 GBP マネーサプライM4確定値
17:30 GBP 消費者信用残高
18:00 EUR 失業率
18:00 EUR 消費者物価指数(HICP、速報値)
19:00 JPY 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:00 ZAR 貿易収支
21:30 CAD 四半期国内総生産(GDP)
21:30 CAD 月次国内総生産(GDP)
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
23:00 USD 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)

1日
03:00 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
10:30 AUD 四半期国内総生産(GDP)
15:00 DEM 小売売上高指数
16:30 CHF SVME購買部協会景気指数
17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数(PMI)
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
20:30 USD チャレンジャー人員削減数
21:15 USD ADP雇用統計
23:00 USD 建設支出
23:00 USD ISM製造業景況指数

2日
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)
08:50 JPY マネタリーベース
10:30 AUD 貿易収支
14:45 CHF 四半期国内総生産(GDP)
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格
16:15 CHF 実質小売売上高
18:00 EUR 四半期域内総生産(GDP、改定値)
18:00 EUR 卸売物価指数(PPI)
20:45 EUR 欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 USD 四半期非農業部門労働生産性・改定値
23:00 USD 住宅販売保留指数
23:00 USD 製造業新規受注

3日
08:50 JPY 四半期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額[前年同期比]
16:15 CHF 消費者物価指数(CPI)
17:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
18:00 EUR 小売売上高
21:30 USD 失業率
21:30 USD 非農業部門雇用者数変化
23:00 USD ISM非製造業景況指数(総合)

≪2010年8月27日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「べア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
米GDPは事前予想よりも好結果となり、バーナンキFRB議長の「FRBは必要に応じ追加
刺激策実施する用意」といったポジティブに捉えられる発言を受け参加者も素直に「ブ
ル」で反応した。市場では、先週発表された米経済指標が軒並み市場予想を下回ったこ
とを背景に、米景気の先行き懸念が強まっている。米当局による量的緩和の拡大の思惑
が広がりつつある状況では、ドル売り圧力が持続することになると思われる。株価や商
品相場の値動きに伴うリスク許容度の変化次第ではあるが、世界的な株価の下落が続け
ば、安全資産と位置付けられている円は買われやすくなるだろう。日本当局が為替介入
を実施するとの警戒感や、追加的な金融緩和は気がかりではあるが、注視しながら慎重
に売り場を見極める必要があると思われる。


ポンド円は「ブル」
バーナンキFRB議長が景気を下支えするため、金融緩和に踏み切る用意があると表明し
たことが好感されNY株式市場は急反発。ダウは164.84ドル高の10,150.65ドルで取引
を終え、リスク選好の地合いに参加者は「ブル」。NYダウはかろうじて10,000ドルを
回復したものの、株安連鎖懸念は払拭とまではいかず、安全通貨の円やフランが買われ
やすい地合いであろう。また、英国の景気二番底懸念もくすぶっており、ポンドの地合
いも悪化しつつあり対円での下落余地がより大きくなりそうだ。


豪ドル円は「ブル」
菅首相の円高対策に対する期待感から円を売り戻す動きが優勢となったほか、バーナン
キFRB議長が議会証言で追加緩和策について前向きな姿勢を示すと米株式市場が内容を
好感して上げ幅を伸ばすと、リスク選好型の相場に参加者は「強気」となった。バーナ
ンキ議長の議会証言直後に位置していた水準からは実に約2円近く水準を上げ76.788円
まで上昇、短期的な抵抗帯と見られる25日間移動平均線77.30円付近には届かなかった
ものの、高値引けとなったように地合いは強い。今週は日銀が緊急会合を開き追加緩和
策を実施するとの話も出ており、こちらの結果次第では一段高となる可能性も秘めてい
る。


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