2010/8/13 トレイダーズ証券「みんなのFX」

ドル円は序盤、上値が重かった前日のリスク回避の流れを引き継ぎ、85.249円と軟調に取引が開始され、アジアの株価が全面安で推移すると、ジリ安の様相となった。日経平均株価も後場の取引開始早々に前日比-226.91円で安値をつけ年初来安値を更新、2009年11月以来の下落幅で一時9,000円割れが目前まで迫ったことからリスク回避は更に強まり、昨日に引き続いて85円割れとなる84.933円まで下落した。だがその後、円高を警戒した日本の要人による口先介入や日銀のレートチェックの噂などが伝わると、円高是正を狙った為替介入への警戒感が高まり、85.800円付近まで上昇した。しかし欧州時間に入り、野田財務相が緊急会見を行い、具体的な対策発表を見送る内容となったことが為替介入に対する警戒感を緩和させ、一時50銭程弱含んだが、NY勢参入後は100ドル超下落して始まったNYダウが下げ幅を狭めるにつれてドルが買い戻され本日の高値を更新した。しかし86円の壁をブレイクするにはいたらず、高値は85.983円となり、85.903円で取引を終えた。

ユーロ円は、前日終値から40銭程下に窓を空けて始まり109.400円付近での取引となったが、日本の為替介入に対する警戒感の高まりと株式の下げ渋りを材料に円を売る動きが加速し、110.889円まで上昇した。欧州時間入り後は、ギリシャのGDPが予想を下回ったことやユーロ圏の鉱工業生産[前月比]が-0.1%(予想:0.6%)と悪化したことを背景にリスク回避姿勢が強まり、本日の安値を塗り替え109.221円まで下落したが、その後は短期的なショートカバーや株価の下げ渋りでリバウンドとなり、最終的に引けは110.183円と明確な方向感は見られない値動きとなった。


本日の展開


ドル円は、日本の要人発言が意識される値動きとなった。15年ぶりに高水準となった円高や、9,000円割れ目前まで下落した株安に危機感を強めた日本政府は、火消しに躍起となり相次いでコメントを発した。菅直人首相や日銀の白川方明総裁らは、為替介入や追加的金融緩和の可能性をちらつかせる口先介入を展開し市場を牽制。また日銀も時を同じくしてレートチェックを実施、政府・日銀一体の取り組み姿勢をアピールした。レートチェックは、昨年11月のドバイ・ショック後に進行した円高(84.810円)以来となる。今回はすでに、84.730円の安値をマークしており心理的には80円が視野に入ってくるが、さすがに史上最安値となる79.700円までの暴落を日本当局は静観できないものと考えられる。だが一方で、昨日夕方に野田財務相が財務省内で緊急会見を開き「具体的な対策発表はない」などと発言しており、米国サイドも景気の下支えを狙ってドル安容認に傾いていることから、各国協調の円売り・ドル買い介入は難易度は高いと言わざるを得ない状況であろう。目先は、先週の米雇用統計発表直前の高値水準であり、FOMC直前の高値水準でもある86.200円付近の上値レジスタンスを明確に上抜けることができるのかを見極めていきたい。

ユーロ円は、発表された第2四半期ギリシャGDPは前期比-1.5%となり7四半期連続でマイナス、財政懸念やストライキの長期化で国の経済は停滞しイメージ悪化で観光収入が減少していることが響いている。6月ユーロ圏鉱工業生産も4ヵ月ぶりのマイナスとなり、成長の鈍化を示す統計発表が相次いでいることから、本日発表予定のユーロ圏GDPに対する警戒感は否応なく高まるだろう。米雇用統計やFOMCなどのイベントを通過し市場には取引材料が不足気味だが、今週に入ってドイツとアイルランドやギリシャ間などの利回り格差は拡大してきている。沈静化しつつあった欧州のソブリンリスクに再び目が向けられるようであれば、ユーロ売りにポジションを傾けやすい相場展開も予想され、テクニカルからも日足一目均衡の雲下限110.250円付近を下回り、心理的節目の110円を下回ってくるとストップを巻き込み大きく下落する可能性に警戒したい。

[本日予想レンジ]
ドル ・円 84.500- 87.500
ユーロ・円 108.500-113.500
ポンド・円 131.500-136.500

【今日の主な経済指標】

15:00 DEM 国内総生産(GDP、速報値)
15:45 FRF 消費者物価指数(CPI)
15:45 FRF 非農業部門雇用者・速報値
16:15 CHF 生産者輸入価格
17:30 HKD 四半期域内総生産(GDP)
18:00 EUR 四半期域内総生産(GDP、速報値)
21:30 USD 小売売上高
21:30 USD 消費者物価指数(CPIコア指数)
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数・速報値
23:00 USD 企業在庫 10:30 AUD 新規雇用者数
13:30 JPY 鉱工業生産・確報値
14:00 JPY 消費者態度指数・一般世帯
17:00 EUR 欧州中央銀行(ECB)月報
18:00 EUR 鉱工業生産
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 USD 輸出物価指数
21:30 USD 輸入物価指数

≪2010年8月12日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「スクウェア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
口先介入について市場の判断はどっちつかずとなっているが、85円台が割安とされポジショ
ンは「ブル」。杉本元財務次官の、円高について「為替の動きが無秩序で一方的なら当然介
入する」とのコメントが一時円売りを誘発したが、市場では日本が為替介入できないと見る
向きもある。為替介入は単独では効果が薄いとされているが、米国はドル安を利用した輸出
強化策を打ち出しており、協調して臨めるかどうかには疑問が残るためだ。追加緩和策にも
手詰まり感が漂っており、当面円買いの地合は継続と予想される。


ポンド円は「ブル」
下値拾いが散見されポジションは「ブル」。8月11日の、英インフレ報告がハト派寄りだっ
たことが蒸し返され、目下の高インフレを意識した利上げ期待は後退した。また英国債市場
では、英2年債利回りが過去最低の水準となっており、これまで底堅かったポンドに利益確
定売りを進行させる格好の材料となっているようだ。好材料が不足がちなためサポートは期
待しづらく、下値模索となりやすい状況に注意が必要と思われる。


豪ドル円は「ブル」
8月10日のFOMC以降、2円程度下落していることから押し目買いが優勢で引続き「ブル」
となっている。7月の雇用者数は+2.35万人と予想(+2.00万人)を若干上回り、7月失業率は
5.3%と前回6月(5.1%)から上昇するなど、強弱入り混じりの内容となった。しかし実際に
市場が反応したのは失業率で、悪材料に反応しやすくなっている地合が窺える。特に豪州国
内や主要貿易相手である中国が楽観されてくるまでは、上値の重い展開が想定され目先は7
月22日の75.554円の安値を意識したい。


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