1年で株価80%アップ。’14年W杯、’16年五輪で注目され、BRICsで一番の信頼度
国際通貨基金(IMF)は’10年のブラジル経済のGDP成長率を4.7%と予想。そして今後も毎年5%を超える成長が続くと予測している。この勢いに便乗しない手はない。急成長の理由と気になる投資商品を紹介しよう。

好調の理由は活発な国内消費にあり!? まずはブラジル経済の現状と将来性を見ていこう。



リーマンショック後に急速に注目を浴びる!



 ’14年のサッカーW杯、’16年の五輪開催が決まり、国中が大いに盛り上がっているブラジル。だが、この盛り上がりは、スポーツの分野だけではなく、投資の世界でも熱い注目が集まっているのだ。

 ご存知のように、ブラジルは「BRICs」の一角を占め、以前から新興経済国のトップグループに位置していた。しかし、そのなかでは比較的地味というか、出遅れていた印象があった。また、ほかのBRICs諸国と異なり、距離が遠いということもあり、日本の個人投資家になじみが薄かった。

 ところが、ここに来て、そのブラジルへの投資が、俄然注目を集めているのだ。その背景には、いくつかの理由がある。

 一つ目は、言うまでもなく経済が好調であること。南米の経済事情に詳しい公認会計士の永石修一氏は次のように語る。

 「かつてはハイパーインフレで混乱したブラジル経済ですが、’94年に導入された経済改革により、インフレ率が低下、財政収支も黒字化しました」

 そして、経済が安定するにつれ、’00年代に入ってからは、ブラジル国債の格付けもアップ、投資対象としての魅力が増してきた。

 さらに、その基盤の上に、大きな経済発展を実現したのが’03年に就任したルーラ現大統領だ。ルーラ大統領は、貧困地区の出身ということもあり、低所得家庭への直接扶助制度「ボルサ・ファミリア」(家族手当)を実施。「多くのブラジル人は、欲しいものがあれば、ローンですぐに買ってしまう。その際、支払い総額がいくらか、などというようなことは気にしない。毎月の支払い額が払える範囲であればすぐに買ってしまうんです」

 そのような国民性もあって、日本の定額給付金のように、貯金に回されるということもなく、国内消費を大いに刺激した。

「ブラジル経済は、もともと内需の割合が高く、GDPの約6割を占めます。そのため、消費を直接刺激するこの政策は、非常に効果が高かったのです」

 そう語るのは、国内で唯一ブラジル個別株の取引をするニュース証券・ニュースアセットマネジメント代表の二本章氏。

 「ブラジルは、一部の富裕層と、大多数の貧困層から形成されています。そして貧困層は、貯蓄や投資をする習慣がほとんどありません。そのため、ブラジルの金融機関は、日米欧と比べて、サブプライム関連商品への投資が少なく、サブプライム問題の影響が比較的軽微で済んだのです」

 また、実体経済においても、米国への輸出割合が15%程度と低いので、リーマン・ショック後の米国経済の冷え込みの影響も、相対的に少なかった。



【今回お話を聞いた3人の先生】
■二本章 氏
ブラジルの個別株を日本国内で唯一買うことのできる「ニュース証券」の調査機関・ニュースアセットマネジメント社長。
ブラジル、ロシア、ベトナム、タイ、ドバイなど、新興国市場の専門家。


■永石修一 氏
日本で唯一の「ラテンアメリカがわかる公認会計士」。
中南米の経済、投資事情について触れたブログ「ラテンって何やねん!?」
http://southamerica.dgblog.dreamgate.gr.jp


■篠田尚子 氏
リッパー・ジャパンのファンドアナリスト。
国内銀行で個人向け資産運用相談業務などを経験。豊富なデータを分析し、個人から機関投資家まで、役立つファンド分析を提供している。