PDCAサイクルの応用から確立されたマナビィ式スイングトレードとは、いったいどんな手法なのか。専業トレーダーとして鳴らした経験から、さぞかし高度なテクニックを駆使しているかと思いきや、「やっているのはごく普通のことばかりですよ」と言う。

 「僕は、達人たちの教えに則って、『テクニカル8対ファンダメンタルズ2』で投資判断をするんですが、実際にはテクニカルといっても移動平均線くらいしか見ていません。たまにMACDとかをチラ見することはありますけど、複雑なオシレーター系のテクニカル指標なんかはまず使わないですね」

 にわかには信じがたいが、これは紛れもない事実だという。

 「基本は日足チャートを表示して5日と25日の移動平均線を見ながら、ゴールデンクロスやデッドクロスに着目しています。もちろん、ゴールデンクロスしたら買い、デッドクロスしたら売りを検討する、と使い方もシンプルですよ」

 ただし、25日線の向きには注意を払い、「25日線が下向きでゴールデンクロス、もしくは上向きでデッドクロスが出現している不自然な場面では、様子を見ることもあります」とのことだ。

 「それから、株価と移動平均線の乖離は気にしますね。特に『何%離れたらどうする』とは決めていませんが、パッと見で明らかに両者が乖離したら、トレンド転換が近い場合が多いので、買い、もしくは売りを検討します。ありきたりなので、拍子抜けされるかもしれませんが、本当にこれが僕の鉄板の手法。一つ言えるのは、ウォッチする指標を決めたら、あれこれブレずにひたすらそれを見続けるのが大切ということですね。場当たり的にやり方を変えると絶対失敗するということは、PDCAの『C』によるフィードバックで、痛いほどわかっています」



日中は多忙につきほぼ携帯でトレード



 いざ、売買シグナルが点灯しても、サラリーマンではなかなか好きなときに発注できない。それはマナビィ氏も同様で、日中はパソコンから株価をチェックすることもままならない状況だという。

 「なので、日中のチェックはもっぱら携帯電話から。証券会社のアプリをダウンロードして好きな銘柄を登録し、すぐにリアルタイム株価やチャート、板情報が見られるようにしてあります」

 マナビィ氏の場合、通勤時間帯が寄り付きのタイミングと重なるため、毎朝電車で携帯から相場をチェックするのが日課。

 「場合によっては、このときに携帯で売買することもあります。ただし、サラリーマンが頻繁に売買するのはまず無理なんで、実際に売買する頻度は週1〜2回程度ですよ。同時に保有する銘柄も、せいぜい3銘柄程度に絞っています。昼休みもチェックできるので、動きがあれば携帯で発注。買いで入るときや損切りの逆指値は、家のパソコンで注文しておくこともありますが、利益確定に関してはほとんど携帯ですね」

 携帯電話のアプリには、常時100銘柄を登録。銘柄選びの第一条件は“値動きが活発”なことだ。

 「比較的短期で利益を狙うスイングトレードでは、ある程度値動きが派手じゃないと利益が出ない。とはいえ、板が薄すぎて値が飛びまくるのも危ないので、最低でも売買代金が1億円を超えて、値動きが激しい銘柄を売買しています。そういう意味で、ケネディクスやアクロディアあたりは大好物ですね。昔IPOで人気だった銘柄とか、過去急激に動いて売買が集中した銘柄だとかは登録しておいて、また盛り上がってきたときに、すぐ参戦できる態勢にしてあります」

 ただし、よく動く銘柄は思惑が外れて反転するスピードも速い。

 「スピードに乗り遅れないためには、欲張らず、引っ張りすぎずで利益確定と損切りのラインをしっかり決めておくことが重要。これも度重なるPDCAを経て確立したことですが、今は最低5〜20%の利幅が取れれば良しとしています。とはいえ、かなり強力な上昇勢いを感じるときだけは、細心の注意を払いつつも利益確定ラインを引き上げて、なるべく利幅を取る努力はしますけどね。原則的に買いも売りも信用全力で入るので、負けるとかなりの痛手を被りますから、セーフティに5%の損失が出たら損切りと決めています」




■マナビィ氏
'74年生まれ。専業トレーダーを経て、現在はインターネット広告会社に勤務。
仕事の合間に日本株のスイングトレードを行う。
目標は40歳までに総資産3億円を達成すること