2010/7/26 トレイダーズ証券「みんなのFX」

金曜日のドル円だが、NY株式の大幅高を背景に東京市場は株高連鎖期待が高まり87.25円付近まで上昇した。日経平均は期待通り序盤から大幅上昇となったものの、その後に上値が伸び悩んだことや、欧州ストレステストの結果公表を控え、様子見ムードが強まりポジション調整の動きから86.75円付近へと反落。しかし、日経平均が終盤にかけて前日比250円超の一段高になると87.17円付近まで上昇し、東京時間の値動きは「往って来い」となった。欧州勢の参入後は独IFO企業景況感指数(予想:101.5 結果:106.2)が予想を大幅に上回ったことが手掛かりとなり、対円でのユーロ買いがドル円に波及し上値を追う展開となった。NY市場に入ると、米長期金利が上昇したことで日米金利差の拡大を意識した買いを誘い一時的に87.46円付近まで上昇したものの、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズがハンガリーの格付け見通しを下方修正したことをきっかけに、持ち高調整が強まり87.20円付近まで下落した。その後、欧州ストレステストの結果が公表され、91行のうち不合格が7行のみだったことから、市場に安心感が広がりリスク許容度が回復したことで再度上昇に転じ、87.405円で取引を終えた。

ユーロ円は、欧米市場のユーロ買い円安進行の流れを引き継ぎ、東京市場序盤に112.66円付近まで上昇したものの、欧州ストレステストの結果公表を控え模様眺めムードが先行し次第に上げ幅を縮める展開となった。その後、独IFO企業景況感指数や英四半期国内総生産の大幅上昇を受けて、リスク志向が強まり他通貨を含め幅広くユーロが買われ112.88円付近まで上昇した。NY市場に入り、欧州ストレステストの結果公表前に一部報道機関から「保有債権ではなく取引債権の損失に限定し、ソブリン債のデフォルトを想定していない」など厳しい意見が伝わると、一時的にユーロ売りに反応し111.592円まで下落した。その後に発表されたストレステストの結果は、91行のうち7行のみが不合格になったものの、欧州の金融懸念が後退し市場に安心感が広がったことで大幅に上値を伸ばし112.844円で取引を終えた。


今週の展開


ドル円は、米主要企業の好決算による世界的な株高連鎖に加え、欧州ストレステストも無難にこなしたことから、87円台半ばまで上昇している。しかし、各種米経済指標では景気回復の兆しは示されておらず、景気の二番底に対する懸念も払拭されていないことから上値は限定的と考えられる。ドル円相場を押し上げるためには、更なる米国株式市場の底上げと、強い経済指標の結果が必要となろう。26日に新築住宅販売件数、27日S&Pケース・シラー米住宅価格指数、消費者信頼感指数、28日耐久財受注、地区連銀経済報告(ベージュブック)、29日には第2四半期GDP、ミシガン大消費者信頼感指数など今週は多数の重要な指標を控えていることから、これらが今週の流れを形成することになりそうだ。その中でも先日、バーナンキFRB議長が「米国経済の見通しは非常に不確実な状況になっている」と発言していることから、地区連銀経済報告(ベージュブック)に注目が集まると思われる。ここでバーナンキ議長の発言を裏付ける材料が出てくれば、米景気先行き懸念が再燃する可能性も高く、リスクへの警戒を怠らないようにしておきたい。

欧州ストレステストを無難にこなしたことで市場ではリスク選好の流れが強まり、ユーロ買いにやや安心感が醸成されつつあるように思える。しかし、欧州の金融不安解消との判断は時期尚早であるとの声も強い。今回不合格になった7行の国別内訳は、ドイツが1行、ギリシャが1行、スペインが5行となっており、7行の資本不足額は35億ユーロ(約3,900億円)に上った。財政不安を囁かれていたスペインが最多となったことに加え検査基準が甘いとの指摘もある。今週は各方面からストレステストの内容に対する意見が散見されると考えられ、ユーロ相場が大きく変動する可能性は念頭に入れておく必要がありそうだ。また、今週は欧州金融機関のドイツ銀行、UBS、サンタンデール銀行などの決算を控えており、今回のストレステストの反応を見定めた上での慎重な対応が求められると考えられる。

[今週の予想レンジ]
ドル ・円 86.50-91.00
ユーロ・円 111.00-115.50
ポンド・円 132.50-137.00

【今週の主な経済指標】

7月26日 8:50 (日) 6月貿易統計
7月26日 10:30 (豪) 第2四半期生産者物価指数
7月26日 15:00 (独) 8月GFK消費者信頼感調査
7月26日 23:00 (米) 6月新築住宅販売件数

7月27日 17:00 (ユーロ) 6月マネーサプライM3
7月27日 22:00 (米) 5月ケース・シラー住宅価格指数
7月27日 23:00 (米) 7月リッチモンド連銀製造業指数
7月27日 23:00 (米) 7月消費者信頼感指数

7月28日 10:30 (豪) 第2四半期消費者物価
7月28日 12:00 (NZ) 7月NBNZ企業信頼感
7月28日 18:30 (南ア) 6月消費者物価指数
7月28日 21:15 (独) 7月消費者物価指数
7月28日 21:30 (米) 6月耐久財受注(コア)
7月28日 21:30 (米) 6月耐久財受注

7月29日 6:00 (NZ) ニュージーランド準備銀行政策金利
7月29日 7:45 (NZ) 6月貿易収支
7月29日 8:50 (日) 6月小売業販売額
7月29日 8:50 (日) 6月大型小売店販売額
7月29日 16:55 (独) 7月失業率
7月29日 16:55 (独) 7月失業者数(増減)
7月29日 17:30 (英) 6月マネーサプライM4(確定値)
7月29日 17:30 (英) 6月消費者信用残高
7月29日 18:00 (ユーロ) 6月消費者信頼感(確定値)
7月29日 18:00 (ユーロ) 7月業況判断指数
7月29日 18:30 (南ア) 6月生産者物価指数
7月29日 21:30 (加) 6月原料価格指数
7月29日 21:30 (加) 6月鉱工業製品価格
7月29日 21:30 (米) 週間新規失業保険申請件数

7月30日 3:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
7月30日 7:45 (NZ) 6月住宅建設許可
7月30日 8:00 (英) 7月GFK消費者信頼感調査
7月30日 8:30 (日) 6月全世帯家計調査-消費支出
7月30日 8:30 (日) 6月有効求人倍率
7月30日 8:30 (日) 6月東京都消費者物価コア指数
7月30日 8:30 (日) 6月全国消費者物価指数
7月30日 8:30 (日) 6月全国消費者物価コア指数
7月30日 8:30 (日) 6月失業率
7月30日 8:50 (日) 6月鉱工業生産(速報値)
7月30日 18:00 (ユーロ) 7月消費者物価指数(速報値)
7月30日 18:00 (ユーロ) 6月失業率
7月30日 18:30 (スイス) 7月KOF景気先行指数
7月30日 21:00 (南ア) 6月貿易収支
7月30日 21:30 (加) 5月GDP
7月30日 21:30 (米) 第2四半期個人消費支出価格コア指数
7月30日 21:30 (米) 第2四半期個人消費支出価格指数(速報値)
7月30日 21:30 (米) 第2四半期GDP(速報値)
7月30日 22:45 (米) 7月シカゴ購買部協会景気指数
7月30日 22:55 (米) 7月ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)

≪2010年7月23日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
欧州ストレステストの結果を受けて、NYダウ平均が100ドル超上昇したことからリス
ク選好度が高まり対ユーロで大きくドル売りが入ったことがドル円に波及し「ブル」
が優勢となった。テクニカル的には、先週の月曜から87円半ばにある上値抵抗線を週
末まで上抜けができなかったことから、上値の重い展開が予想される。先週の米中古
住宅指標が強い内容であったことから、本日発表予定の米新築住宅販売件数の結果が
コンファームする内容になれば妙味があるかもしれない。


ポンド円は「ベア」
英四半期国内総生産が予想を大幅に上回る結果となったことに加え、欧州ストレステ
ストが問題なく通過したことで材料出尽くし感から、高値警戒感の高まりを受けて
「ベア」となった。今後の英経済だが、英GDPの結果から景気回復が財政赤字削減に
繋がるとみられ、政策金利見通しが引き上げられる可能性が高まれば再び買いが先行
する可能性もありそうだ。


NZドル円は「ブル」
原油や金などの商品相場は、欧州ストレステストの結果発表前にポジション調整から
ロングを外す動きで4日ぶりの反落となったが、7月29日に政策金利の発表を控えてい
ることから、下値ではNZドル需要も強く「ブル」となった。今回の政策金利は0.25%
の追加利上げの可能性も考えられることから、追加利上げ期待でNZドル買い需要は継
続すると考えられる。また、米主要企業の好決算や株式市場の株高を背景に安堵感が
浮上しており、本日は底堅い展開になると思われる。


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