2010/7/16 EMCOM 証券「みんなのFX」

ドル円は、88.481円で取引が始まったが、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録において米景気が下振れの可能性や追加緩和について示唆されたことを背景に、米景気の減速懸念が台頭しジリ安で推移した。注目されていた一連の米経済指標だが、新規失業保険申請件数は予想を上回ったものの、ニューヨーク連銀製造業景気指数が大幅に予想より悪化したことを受けドル売りが加速、その後に発表された7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数も弱い結果となったことから下落を後押しし、米景気に対する先行き不安は大幅に悪化した。NYダウも一時前日比-126.24ドルまで下落し、87.234円まで下落したが、リスク回避一巡後は若干値を戻し87.424円で取引を終えた。

ユーロ円は序盤、アジア株の軟調な推移を背景に売りが先行したが、JPモルガン・チェースの第2四半期決算が予想を上回る好決算であったことやスペイン15年債入札が好調に消化され資金調達不安が後退したこと、さらに、イタリア系銀行に対するストレステストの見通しが良好と発言されたことを背景にユーロを巡る不安感が後退、一時113.388円まで上昇した。その後、軟調な米経済指標の影響でリスク回避的な円買いが見られたが、対ドルでは約2ヶ月ぶりの高値を更新したこともあり円買い抑制、引けは113.151円となった。


本日の展開


米国では4-6月期決算が相次いで発表されており、決算をみる限りではファンダメンタルズは良好で、昨日発表された注目の米JPモルガン・チェースの第2四半期決算は前年同期比+76%、一株利益は1.09ドルとなった。市場予想を上回ったことで、本日発表予定のシティ・グループやバンク・オブ・アメリカの決算にも一層期待が高まっているようだ。しかし昨日の米経済指標は、強弱が入り混じり、ニューヨーク連銀製造業景気指数の結果が5.08(予想:18.00)、フィラデルフィア連銀製造業景気指数が5.1(予想:10.0)と予想を大きく下回ったことが意識され、ドル売り一辺倒の展開となったことから、好調な米国企業の好決算を打ち消した格好だ。14日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で米景気下振れのリスクに言及したことや、米景気見通しを下方修正したことと合わせて、最近の米経済指標が弱めの内容となっており、市場では同国に対し超低金利政策が長期化するとの思惑が広がりつつあるように思える。当面は弱い経済指標に対して、下値を試しやすい展開が続くと考えられる為、ドル買いポジションは取りづらい地合であることを念頭に入れておきたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円  87.00- 89.00
ユーロ・円 112.00-115.00
ポンド・円  133.00-137.00

【今日の主な経済指標】

07:45 NZD 四半期消費者物価
08:50 JPY 第三次産業活動指数
14:00 JPY 金融経済月報
18:00 EUR 貿易収支
21:30 USD 消費者物価指数
21:30 CAD 景気先行指数
22:00 USD 対米証券投資(短期債除く)
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数

≪2010 年7月15日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
一連の米経済指標が弱い結果となりドル安となったが、買い場と見る向きも強く、ポジショ
ンは「ブル」。FRBの次期副議長に指名されているサンフランシスコ連銀総裁イエレン氏は、
出席した上院銀行住宅都市委員会の指名公聴会で「失業率は依然として高い」と発言する等、
雇用の創出が米国の出口戦略の主要課題との認識を示唆した。「金融引き締めは適切な時に」
ともコメントしており、利上げ実行はより慎重に実施されることが予想される。


ユーロ円は「ベア」
昨日イタリア系銀行に対するストレステストに楽観的な見通しが立つとの見通しから売りポ
ジションが減少したが、まだ若干「ベア」となっている状況だ。23日に控えるストレステス
トが良好な結果となれば根強いユーロ圏諸国の財政に対する懸念の払拭に繋がると期待して
いることが窺える。スペイン15年債も好調な入札結果となったこともあり、足元の資金調達
懸念は緩和しており、対ドルで約2ヶ月ぶりの高値を更新している。警戒感はあるものの、
米景気鈍化を意識したドル売りとなれば相対的にユーロが上昇しやすい可能性も秘めている。


豪ドル円は「ブル」
リスク回避的に資源国通貨が下落するなか、断続的な押し目買いが見られ「ブル」となって
いる。予想より悪い中国経済指標の蒸し返しや一連の米経済指標の結果が市場予想を下回っ
たことで市場心理は悪化しつつあるようだ。投資家心理の変化に資源国通貨は乱高下しやす
い地合となっており、方向感が明確になるまでは慎重な取引が必要となりそうだ。


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