「2本前の終値」でストップをトレールさせるのがコツ


 でも、これだけでトレードするのは無理な話。

 「私がデイトレするときに使っているやり方を教えましょう。その前に、まず理解していただきたいのは『FXではルールを守れる人だけが勝つ』ということ。エゴグラムという自己分析法では、ルールを守れる人は5%だけだという結果があります。俗に『FXで勝てるのは全体の5%』と言われますが、見事に一致するんですよ」

 損切りしなければと、あらかじめルールを決めていても、実際にポジションを持つと、それを守るのは大変なこと。ルールは絶対、それをまず肝に銘じておくべし!

 「探すのは、『高値圏』と『安値圏』です。これは私独自の概念で、高値圏とは、相場の天井付近でもっとも長い陽線の始値、安値圏とは相場の大底付近でもっとも長い陰線の始値です。これがエントリーのポイントになります」

 これを理解するには左図を見たほうが早い。エントリーの判断は簡単で、高値圏の始値を下にブレイクしたら売り、安値圏の始値を上にブレイクしたら買い。逆指値注文を入れておくのでもOKだ。

 「それから『FXでは相対観がすべて』。私の理論は、すべてこれが土台になっています。極論を言えば、レートは関係ない

 絶対的な価格にとらわれていると陥るのが「値ごろ感の罠」だ。

 「この前1ドル90円だったのに、今は80円じゃん!これだけ安くなったなら買ってみよう」などと考え、買いポジションを入れると、痛い目を見がち。

 「サポートラインやレジスタンスラインをブレイクしたらエントリーするというやり方もありますが、それは〝ダマし〟が多く、実戦では使えませんね」

 田中理論では、これまで絶対的な価格だったサポートやレジスタンスよりも、相対的なレートの値幅が重要視される。

 「だから、利食いや損切りの基準もサポートやレジスタンスではなく、高値圏、安値圏のもととなった長いローソク足の値幅が利食いの基準になります。あくまでも、相対観で相場を見るんです」

 逆に、損切りは高値圏をブレイクして売りで入ったなら、高値圏としたローソク足の終値から値幅分上がポイントとなる。ただし、これはエントリーしたものの、その後はチャートを見ていられないときの損切りラインの考え方だ。

 では、チャートを常に見ていられるときはどうするのか。

 「利食いは入れずに、ブレイクした足の『2本前の終値』で損切りを入れておき、ローソク足が1本進むたびに直近の『2本前の終値』にスライドしていく。これならやがて損切りにかかっても、そのときは利益が出ているんです」

 「R-one 」デイトレードだと、サポート、レジスタンスを使っているときに不可避のダマしを上手いこと交わしながら、天底からの反発を待ち構えてちょうどいいタイミングでエントリーが可能。ルールを守れば、勝率は高そうだ。



FXは会社経営と同じ。計画性とルールが重要!



 でも、一生安泰の資産を築いているのに、なぜわざわざFXを?

 「常にプレッシャーを感じていないと物足りないんですよ。17歳のとき、頭蓋骨骨折で入院して思ったんです。それまでは朝起きられなかったら仕事に行かない生活だったのが、こんな人生のまま終わったんじゃ、物足りないって。山あり谷ありって言いましたけど、谷が好きなのかも。FXでも連勝していると物足りなくなる(笑)」

 根っからの勝負師が、ビジネスという山を征服したら、向こうに新たなFXという山を見つけてしまったというところか。

 「FXで勝てるようになったのはひとつの気づきがあったから。キャッシュフローが10億円しかない会社が20億円のビルは買えません。でも、レバレッジの効くFXではそれが買える。だからこそ、FXではより厳しいルールと計画性が必要なんです。FXは企業経営と気づいたんです。しかも、FXではヘタな会社を凌ぐ利益を個人でも出すことができる平等な競争。ただ、利益を継続させていくのが難しい。私の目標も利益を継続して生み出していくことです」

 とてつもない〝がばいトレーダー〟が佐賀にはいたものである。





■田中たけし氏
YLCグループの創業者兼CEOにしてFXトレーダー。
大敗を喫してから、独自の手法を編み出し2億円超の利益。
http://www.saza-investment.com/blog/tanaka