「昨日は調子がよかったので勝てました。トータルの利益が1億円を超えたんじゃないですか」

 ブラジル人とは思えない流暢な日本語でそう話すのは、名古屋在住のスキャルパーF・T・K・氏。

日本人には馴染み薄ながら、在日ブラジル人コミュニティでは名の知れたFXトレーダーなのだ。

 「FXを始めたのは’08年9月。元手は100万円です。その年は360万円の利益で、翌年が8000万円、今年は90万円で再スタートして、2000万円近く稼いだので、もう資産1億円は超えましたよね」

 そう言って取引履歴を見せてくれたF・T・K・氏。こりゃホンモノだ。ってか、そもそも出稼ぎにきたのに投資?

 「もう日本にきて20年。両親が出稼ぎにきたので自分もついてきたんです。最初に投資をやったのは’06年頃、株トレーダー・三村君の『平凡な大学生のボクがネット株で3億円稼いだ秘術教えます!』(小社刊)を読んだのがきっかけでした。ただ株だと資金がないと大きく儲けられないので、FXに転向したんです」

 少額でも始められるし、資金をどんどん回転させられるのはFXの大きな魅力。とはいえ、1年半で資産1億円を突破は驚異的。して、そのトレード手法とは?




チャートはボリンのみ

リバウンド狙いのポイントは3σ、4σ


「難しいことは一切やっていません。見ているのはボリンジャーバンドだけ

 F・T・K・氏のトレードルーム(右写真)に置かれたモニターに表示されていたのは、確かにボリンジャーバンドだけ。あれっ?でも普通のボリンって真ん中に移動平均線があって、上下に1本ずつラインがあって、合計3本じゃなかったっけ?

 「ボクの場合、重視しているのは3σシグマと4σなんです」

 σとは標準偏差のこと。ボリンジャーバンドでは真ん中の移動平均線を基準にして、上下に「ありうる値幅」のラインが引かれる。この上下のラインを引くときの基準がσ。1σなら約65%の確率で上下のラインのなかに値動きが収まるし、2σなら確率はグッと上がって約95%、3σになると約99%、4σだと99・9%。

 「逆に言えば、3σ、4σのラインからローソク足がはみ出したら、それは相当に強いトレンドが発生しているということになります。ボクが狙うのはそんなとき」

 強いトレンドが発生したときに、強力な波に乗っかるってこと?

 「そういうトレンドフォローができると格好いいですよね(笑)。でも、ボクはトレンドフォローが大の苦手。こないだもちょっと試してみたけど、大損しちゃった。だから、主に相場が大きく動いたときのリバウンドを狙うんです。急騰して3σ、4σにチョン、チョンと当たったらエントリー


 笑顔でリズムを刻みだすF・T・K・氏。「イチ、ニッ、イチ、ニッ」の2拍子はまさにサンバのリズム。バックにはボリンジャーバンドというリズム隊が足並みをそろえる。3σ、4σとローソク足が伸びたら「サン」で逆張り!リバウンド開始とともにカーニバルの始まり、オーレィッ!

 「通貨ペアはポンド/円。最初は米ドルもやっていましたけど、最近は値動きが小さいから3σ、4σのラインまでなかなか到達しない。スキャルで勝つには値動きがないと難しいから、今はほとんどポンド。チャートは普段、5分足を見ていて、3σ、4σまできたら1分足などを見始めるんです」

 いくら値動きが激しいポンド/円でも、3σまで達することは一日に数回あるかないか。待ち時間が長くなってしまうところが、このトレードの欠点か。

 「ボクの場合、一日18時間くらいチャートを見ています。電磁波を浴びていたほうが、体調がいいみたい(笑)。トレードするのはだいたい10回くらいで、多いときは100回以上トレードすることも。ただ、リバウンド狙いだと勝率は悪くなります。3σを抜けて4σに近づいて、『そろそろリバウンドするかな』と思って入っても、そのまま勢いが継続することは頻繁にある。だから『ヤバイ』と思ったらすぐに損切りして、次のチャンスを狙う。リバウンドが始まるかどうかは1分足以下の短いチャートを見て、ローソク足の勢いで判断。勢いが弱まったと思ったら、リバウンドが始まると考えてエントリーする」

 入っていいのは1本の5分足が最低でも40Pips以上動いたときだけ。少なくとも3σを抜けて4σ付近まで到達していることが必須条件だ。4σも抜けていればなお良し、となる。




■F.T.K.氏
来日20年目の名古屋在住ブラジル人。
某大手メーカー工場勤務を経て専業トレーダーに。
1年半で資産1億円を達成。弟子にも成功者多数。http://ezinvest.blog100.fc2.com/