2010/6/17 EMCOM 証券「みんなのFX」

昨日のドル円だが、東京市場は日経平均が節目の1万円台を回復するとリスク選好の円売りが先行し、91.65円付近まで値を伸ばした。その後は、野村ホールディングスによる「中国不動産市場のバブルは極めてすぐに崩壊し、相場は今後1年から1年半で最大20%下落する」との予測が報道されると、中国景気後退懸念を背景とした円買いに押され91.40円付近へと弱含みとなった。しかし、日経平均やアジア株式市場が底堅く推移したことから積極的に円を買う動きも限定され、方向感の乏しい値動きが継続した。欧州市場に入ると欧州株も上昇して始まる中、株高連鎖期待を背景に一時91.818円まで上昇したものの、米ダウ先物がマイナス圏で推移したことや、米国の5月住宅着工件数の大幅悪化を受けて下げ幅を拡大させ91.084円まで下押しとなった。引けにかけダウがプラスに転換すると反発し91.431円で取引を終えた。

ユーロ円は、手掛かり難から東京市場では112円台後半で方向感の乏しい値動きとなった。しかし、日経平均が前日比179円高で終了し、5月20日以来の1万円台回復を背景としたリスク選好の高まりから、欧州市場序盤には113.30円付近へと上昇。しかし、10年物スペイン国債と独連邦債の利回り格差がユーロ導入以来の最高水準に拡大したことで市場はリスク回避に傾斜すると約1円ほど反落。NY時間ではユンカー・ユーログループ議長が「スペインは金融支援の必要性を示していない」とし、更にメルケル独首相も「スペインは力強い財政削減を実施している」と火消しに回ったことで小幅に反発し、112.553円で取引を終えた。



本日の展開


さて本日のドル円だが、スペインの信用不安再燃の動きは気掛かりとはいえ、ユーロや欧州株など株価への影響も限定されるなど、欧州財政不安の緩和を受けてリスク選好の展開となればドルと円が売られやすい展開となることも予想される。テクニカル的にも週足一目均衡表では雲の中心から動いておらず、三角もち合いの中で推移が継続するならば、今日もレンジ内の逆張りスタンスが有効といえそうだ。

ユーロ円は、株式市場の反応を見極める必要があるものの、株価安定やボラティリティ低下を背景に安全通貨のドルと円を売り戻す動きが次第に強まっており、相対的に上昇しやすい局面になっているとみる。また、ユーロの足を引っ張ってきたギリシャが投資不適格に格下げされたことで、悪材料出尽くし感も広がっており短期的には114円台までもう一段のショートカバーが入ってもよいのではと思われる。しかし、欧州の根本的な債務問題が解消したわけではなく、引き続き欧州発のニュースには注意を払う必要があり、株式や商品市場の動向を注視しつつ楽観的なムードが継続するかどうかを見極めていきたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円  90.70-92.50
ユーロ・円 111.80-114.00
ポンド・円 132.50-135.80

【今日の主な経済指標】

14:00 JPY 景気先行指数
14:00 JPY 景気一致指数
16:15 CHF 四半期鉱工業生産
16:30 CHF スイス国立銀行3カ月物銀行間取引金利誘導目標中心値
17:00 EUR 欧州中央銀行(ECB)月報
17:30 GBP 小売売上高指数
18:00 EUR 建設支出
18:30 ZAR 小売売上高
21:30 CAD 卸売売上高
21:30 USD 消費者物価指数
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 USD 四半期経常収支
23:00 USD フィラデルフィア連銀製造業景気指数
23:00 USD 景気先行指標総合指数

≪2010年6月16日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
米5月住宅着工件数は大幅に悪化したものの、その後発表された4月の米鉱工業生産は好調
とまちまちな内容。しかし、ダウの下げは意外なほど小さかったことで強い米ファンダメ
ンタルズから「ブル」が優勢。今夜は新規失業保険申請件数、消費者物価指数、フィラデ
ルフィア連銀製造業景気指数といった米経済指標が発表されるが、いずれかが強い数字と
なった場合は米長期金利の上昇を通じてドル買い要因となる可能性があるだろう。


ポンド円は「ブル」
英失業率が4.6%と予想の4.7%よりも改善し、英失業保険申請件数も前月比-30,900件と
予想の同-20,000件よりも良い内容となったことでセンチメントは改善傾向にあり、参加
者心理は「ブル」が優勢となった。今年7-9月期には英中銀の利上げ観測が高まる可能性
があり、上昇余地は広がりを見せており、下落局面では押し目買いも有効な手段と考えら
れそうだ。


豪ドル円は「ブル」
大台の80円が意識され79円台に入ると売りが強まる展開から「ベア」も散見したものの、
日経平均株価が5月20日以来の1万円台で引けたことで「ブル」は継続となった。豪ドル
の高値警戒感が強まってはいるが、ウリュカエフ・ロシア中銀筆頭副総裁は「ロシアの外
貨準備に豪ドルを加える可能性がある」と発言したことや、欧州の信用不安が後退しリス
ク選好が回復していることもあり、底堅い動きが予測される。さらに、日本のボーナスシ
ーズン入りで個人向けの外債や投信を通じたオセアニア通貨にも期待が集まりそうだ。


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