'10年は郵便局の定額貯金の満期が集中する。「ゼロ金利で行き場のない個人マネーは、投信か小型株に向かう経験則があります。ということは、小型株のうち、投信が好んで組み入れそうな銘柄の買いが正解でしょう」と言うのは、経済ジャーナリストの大神田貴文氏。

 今から20年前、バブル絶頂期に郵便局の10年定額貯金の利回りは6・33%に上昇した。しかも、預け入れ限度額が500万円から700万円に引き上げられ、郵便局は70兆円もの資金を吸い上げたといわれる。

 「この巨額マネーが一斉に満期を迎えたのは'00年。複利運用で、10年間のうちに元本が2倍になりました。これに味をしめた預金者のほんの一部が、『元本2倍よ、もう一度と』ばかりに、ハイリスク商品に資金を移し、ITバブルと投信ブームが起こったのです。ただし、民営化後も郵貯に留まり、定額貯金となって眠っていた資金も多いのです」

 そして'10年。今年、その眠った郵貯マネーが満期を迎えるのだ。今後2年で20兆円と見積もられる。サブプライム後のゼロ金利復帰で、リターンが欲しければ、リスクを取る以外にない。

 「ただし10年前と違うのは、郵便局がゆうちょ銀行に転換し、窓口で株式投信を扱っていること。そして、投信を売る郵便局員にも『目標』という名の、事実上の販売ノルマがあります。100万円の満期金があれば、『50万円でいいから投信を買いましょうよ』と勧誘するわけです」

 ゆうちょ銀行で扱う投信は全部で13種類。日本株の個別銘柄を選別して買う「フィデリティ・日本配当成長株投信」や「住信日本株式SRIファンド」の組み入れ銘柄が有望だ。投信は投資資金が増えたら新しい銘柄を買うのではなく、既に持っている銘柄を買い増す習性があるからだ。







■大神田貴文氏
経済ジャーナリスト。専門は金融と経済政策。
株式や為替、国債など各市場に明るい一方、個別企業の裏事情も握っている