米ネット通販大手アマゾンの「キンドル」や4月に発売される「iPad」の影響で、一躍脚光を浴びている電子書籍市場。すでに米国ではキンドルユーザーが加速度的に増えていることから、iPadの登場で、さらなる市場拡大が見込まれている。なぜ米国で爆発的に広がっているのか? カブドットコム証券の河合達憲氏は次のように分析する。

 「キンドルは通信会社と手を組んだことでダウンロード時の通信料が不要。純粋に書籍代だけ払えばOKなのです。この点に魅力を感じるユーザーは多いのでしょう。また、もともと米国には、ペーパーバックと呼ばれる安価な本を気軽に買って、気軽に捨てる文化がありました。キンドルを歓迎したのは、このペーパーバックを愛好する層。いつでもどこでも簡単に検索できて、買えて、気に入らなければすぐ消せるという点で、キンドルとペーパーバックはよく似ているのです」

 電子書籍端末はすでに400万台も普及しているが、4年後には4000万台に達するという試算もある。さらに1人当たり5冊買うと考えると、その市場規模たるや推して知るべし、だろう。

 一方、近くキンドル日本語版とiPadが日本上陸予定だが、「日本では本を読み捨てる習慣があまりない。一定のユーザーは獲得したとしても、日本で米国ほど普及するのは困難でしょう。通信費の無料化ができるかどうかが普及のカギ」と河合氏は予想する。そのため、国内の電機メーカーが新たな電子書籍端末を発表しても、「株価が爆騰するほどのインパクトはほとんどなさそう」とのこと。

 「狙い目は、タッチパネルや電子ペーパーの最先端技術を持つ企業。“電子書籍先進国”の米国では、さらに読みやすい端末を開発するため、より高度な技術を欲していますから」







■河合達憲氏
カブドットコム証券マーケットストラテジスト。
推奨銘柄のパフォーマンスが高い。マクロからテクニカルまで幅広く精通