2010/6/14 EMCOM 証券「みんなのFX」

金曜日のドル円は序盤、日経平均が寄付きから大幅高になるなど、リスク選好度の高まりを背景に円売りが強まり91.75円付近まで上昇した。また、中国の消費者物価指数が前年同月比で3.1%と発表されたが、中国政府が目標としている3%を小幅ながら上回り、金融引き締めへの警戒感が高まったことで、リスク回避の動きが強まり91.43円付近へと反落した。その後は日経平均やNYダウ先物が底堅く推移したことから91.70円付近まで再度上昇したが、週末のポジション調整の円買いが散見され、一時91.40円付近まで売り込まれた。欧州勢参入後は欧州株が堅調な値動きとなったが、ドル円は明確な方向感を出せなかった。NY市場に入ると、注目の米小売売上高(予想:0.2% 結果:-1.2%)が予想を大幅に下回り一時91.228円まで下落した。その後は、小安く始まっていたNY株式が下げ幅を縮小する中で91.75円付近まで反発。また、ミシガン大学消費者態度指数・速報値(予想:74.5 結果:75.5)が強い内容となったこともドル買い材料となった。引けにかけては、週末要因の調整が主導の展開となり91.651円で取引を終えた。

ユーロ円は序盤、日経平均が大幅に上昇して始まったことを背景にリスク選好の動きが強まり111.28円付近まで上昇。しかし、中国の消費者物価指数の上振れを受けて金融引き締め観測が浮上し、リスク選好ムードがやや後退したことから伸び悩む展開となり、ユーロ円は110円台後半でのもみ合いとなった。その後、堅調な値動きとなった欧州株を背景にユーロ円も底堅く推移した。しかし、NY市場に入ると、米小売売上高が市場予想よりも弱い結果となると、景気回復ペースが鈍化しているとの見方からリスク回避姿勢が強まり110.285円まで下落。その後、ミシガン大学消費者態度指数が強い内容であったことから、リスク選好度が回復し111.25円まで値を戻したが、対ドルでのドル買いが強かったことから、ユーロ円に波及し110.30円付近まで反落した。しかし、引けにかけてNY株式がプラス圏で取引を終えるとユーロに買戻しが入り110.964円で取引を終えた。


今週の展開


米国では、4日発表の米雇用統計の結果から景気回復の遅れが指摘されており、米経済の景気回復がどこまで進行しているか実態面での経済指標の内容を見極めたいところ。今週は多数の米経済指標が控えており、注目は生産者物価指数・住宅着工件数・鉱工業生産・消費者物価指数などになりそう。軟調な結果に終われば、景気回復期待感が後退しリスク回避の動きから再び90円台割れを試すかもしれない。

欧州では、ギリシャの信用不安がやや下火となりつつあるものの、ユーロ各国のソブリンリスクは完全に払拭できない状況であることから、下値に対する警戒は常に頭に入れておきたい。また、現在のユーロへの信任はユーロ諸国と国際通貨基金(IMF)による巨額の刺激策と信用保全により支えられてはいるが、今回の一連の欧州債務問題の発覚で、これ以上の政府による保護は期待できないとの見方が強まっている。今週末には、ユーロ首脳会議が開かれる予定となっており、独仏両国がユーロ各国に求めているクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の空売り規制について議論されるとみられる。規制が実施されれば、欧州経済の景気回復が鈍化するとの見方もあり動向に注目したい。

その他、豪州でRBA議事録が発表される。豪州は金利据え置き後、良好の経済指標が確認されており、市場が早期の利上げ再開を期待する中、議事録の内容に注目が集まりそうだ。利上げ再開を示唆する内容がでれば心理的な節目となる80円を目標に上値を試す展開も予想される。

[今週の予想レンジ]
ドル ・円 89.400- 93.200
ユーロ・円 108.600-114.500
ポンド・円 129.500-137.800

【今週の主な経済指標】

6月14日
7:45 (NZ) 4月小売売上高
13:30(日) 4月鉱工業生産(確報値)
18:00(ユーロ)4月鉱工業生産

6月15日
8:00 (英) RICS住宅価格指数
10:30(豪) RBA議事録
17:30(英) 5月消費者物価指数
17:30(英) 5月小売物価指数
18:00 (ユーロ)6月ZEW景況感調査
18:00(独) 6月ZEW景気期待指数
18:00(ユーロ)4月貿易収支
21:30(米) 5月輸出物価指数
21:30(米) 5月輸入物価指数
21:30(米) 6月ニューヨーク連銀製造業景気指数
22:00(米) 4月対米証券投資

6月16日
8:50 (日) 4月第3次産業活動指数
17:30(英) 5月失業率
18:00(ユーロ)5月消費者物価指数
21:30(米) 5月住宅着工許可件数
21:30(米) 5月住宅着工件数
21:30(米) 5月生産者物価コア指数
21:30(米) 5月生産者物価指数
22:15(米) 5月設備稼働率
22:15(米) 5月鉱工業生産

6月17日
16:15(スイス)第1四半期鉱工業生産
16:30(スイス)スイス中銀政策金利
17:00(ユーロ)ECB月例報告
17:30(英) 5月小売物価指数
18:00 (ユーロ)4月建設支出
18:30(南ア)4月小売売上高
21:30(米) 週間新規失業保険申請件数
21:30(米) 第1四半期経常収支
21:30(加) 4月卸売売上高
21:30(米) 5月消費者物価コア指数
21:30(米) 5月消費者物価指数
23:00(米) 5月景気先行指数
23:00(米) 6月フィラデルフィア地区連銀業況指数

6月18日
8:50 (日) 日銀金融政策決定会合議事要旨
15:00(独) 5月生産者物価指数
21:30(加) 5月景気先行指数

≪2010年6月11日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
米小売売上高が予想より悪化していたものの、ミシガン大学消費者態度指数が強い内容で
あったことから「ブル」が優勢。今週は米経済指標の結果に注意を払い、米株式市場や米
長期金利などの動向を見究めつつ、リスク許容度の変化に注意して対応したい。


ユーロ円は「ブル」
ポジションは「ブル」。週末の米経済指標は一喜一憂する結果となり、ユーロ円は約1円
幅での乱高下を繰り返した。また、12日早朝にギリシャのパパンドレウ首相は「債務危機
に立ち向かい、同国を成長軌道に戻すための政策を行う方針と示し、デフォルトを回避す
る」とあらためて発言したことで、ユーロへのサポート材料になりそう。


豪ドル円は「ブル」
ポジションは「ブル」。豪雇用統計の上振れを受けて追加利上げ観測が浮上しており、豪
ドルの地合いは好転しつつあるといえよう。中国の堅調な経済指標は基本的には豪州の輸
出にプラスに働くと考えられることから、欧米の株価上昇を背景にリスク選好が高まった
場合は、高金利通貨に対する需要も高まりそうだ。


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