“鉄ちゃん”や“鉄子”など巷では鉄道ブームが続いているが、「実は最近、株式市場でも鉄道ブームが起きているのです」というのは、経済ジャーナリストの黒井颯氏。

 「日本初の“鉄道株ファンド”と呼ばれる、『JPモルガン世界鉄道関連株投信』(1月設定)がキッカケです。昨年11月には、世界的な著名投資家、ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社が米国の鉄道最大手を買収して注目を集めたこともあり、投資家の鉄道関連への関心は非常に高い」

 リーマンショック以降、世界経済が急速に後退するなか、各国は相次いで景気対策を打ち出した。その多くは公共投資で、鉄道インフラ関連に巨額投資を行う国が多かったという。

 「中国では'20年までに北京-上海-南京-重慶などを結ぶ全長1万8000㎞、最高時速200㎞以上の高速鉄道網の整備が計画されています。これは『四縦四横』政策と呼ばれ、日本の全新幹線網に匹敵する距離。地球1周が4万㎞ですから、そのスケールと経済効果の大きさがわかるでしょう」

 ほかにもブラジルでは、リオデジャネイロからサンパウロ近郊を結ぶ約510㎞、総事業費約1兆7000億円の高速鉄道計画が進行中。またベトナムでは、ハノイからホーチミンを結ぶ全長約1600㎞、総工費約5兆円の超高速鉄道が整備中だ。1600㎞というと、青森︱山口間の本州縦断とほぼ等しい。

 「また、鉄道はほかの輸送手段に比べてエネルギー効率が高く、CO2排出量が少ないため、環境性能の面でも優れているのです」 経済発展に伴い、新興国では鉄道インフラ整備が不可欠となっている。世界的な鉄道ブームに、超特急で“のぞみ”たい。





■黒井 颯氏
兜町で株式記者を経て経済ジャーナリストに。
企業決算を多角的に分析する。アナリストなど金融関係者に幅広い人脈を持つ