2010/6/03 EMCOM 証券「みんなのFX」

ドル円は、91.004円で始まったが、鳩山首相の辞任報道を背景に日本の政治情勢の混迷を懸念した円売りムードに押される値動きとなった。その後も米4月住宅販売保留指数[前月比]が6.0%と市場予想の5.0%を上回ったことから円売りドル買いが強まり、5月19日の高値92.212円を上抜けした。24時過ぎには高値となる92.353円まで上昇し、売買交錯を経て引けは92.124円と約2週間ぶりに92円台で取引を終えた。辞任した鳩山氏の後任と目される菅直人副総理兼財務相は就任当時から円安歓迎の態度をとっており、円安政策を推進するとの思惑が強まったことも円売りに拍車をかけたようだ。

ユーロ円は序盤、110円近辺で取引される場面も見られたが、上海総合指数の持ち直しや時間外のダウ先物の上昇を背景に円売りが先行した。途中、中東各紙で中東圏の「ユーロ離れ」が報じられるとユーロが売られる場面もみられたが、一方で堅調な原油相場やNYダウが更に上値を拡大したことから、リスク回避姿勢が後退するとの見方が優勢となり円売りユーロ買いが進み、高値113.064円まで上昇、112.812円で取引を終えた。ポルトガル国債の入札に力強い需要が示されたことも上値を軽くした模様。


本日の展開


昨日のNYダウ大引けは10,249.54ドル、+225.52(+2.25%)の大幅高となり、市場にはリスク許容度の回復気配が伺える。米4月住宅販売保留指数は過去最高の伸びを記録した2月の+8.3%から伸び幅は縮小傾向にあるものの、新規住宅購入者向け減税政策終了を直前に控え3ヵ月連続で前月比プラスを達成。また、全米産業審議会(CB)が発表した5月新規オンライン求人広告数も242万3200件と前月の235万9600件から増加しており、2ヵ月ぶりの増加に転じている。今回の米雇用統計も雇用の大幅増が見込まれていることから、早期利上げ期待が高まれば、堅調なドル買いが進む可能性もありそうだ。しかし住宅関連については、減税終了の駆け込み需要で上昇を維持したものの、MBA住宅ローン申請指数の新規は4週連続の低下となっており、今後の不動産セクターは減速するとの公算もあることから予断を許さない状況に変わりはないと思われる。予想外にネガティブな材料が出た場合にはドル買い要因の足かせとなる可能性も高く、注意が必要だ。

一方ユーロに対しては、未だ根強い不安が残っているようで積極的に買い戻そうとする意欲は乏しいと考えられる。新たなマイナス材料として、外貨準備に対する懸念が露呈しつつある。イラン中銀は「外貨準備から450億ユーロを売却、ドルと金を買った」、UAE中銀は「保有する外貨準備は、ほぼ全額がドル建てとなっており、バランスシート上にユーロは存在しない」と伝わっている。ユーロ離れが市場で新たな材料として懸念されるようであれば、ユーロの経済問題の解決は更に時を要することとなるだろう。

ポンドは引き続きボラティリティが大きくなっている。英プルデンシャルによる米AIGアジア部門AIAの買収が白紙撤回されたことがポンド買い圧力を高めている。ファンダメンタルズでは、昨日発表された4月英モーゲージ承認件数は4万9871件と4ヶ月ぶりに高水準となった。また先日発表された英不動産登記当局による住宅価格統計も上昇を示すなど住宅セクターは好調で、本日の英ネーションワイド住宅価格や今週ハリファックス住宅価格の結果次第ではポンド買いの足掛かりとなるかもしれない。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円  91.600- 93.900
ユーロ・円 110.000-115.000
ポンド・円 131.000-137.000

【今日の主な経済指標】

08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
10:30 AUD 貿易収支
17:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数
17:30 GBP サービス部門購買担当者景気指数
18:00 EUR 小売売上高
21:15 USD ADP雇用統計
21:30 USD 新規失業保険申請件数
23:00 USD ISM非製造業景況指数
23:00 USD 製造業新規受注

≪2010年6月2日クローズ時点≫

ドル・円 : 「ブル」
ユーロ・円 : 「ブル」
ユーロ・ドル : 「ブル」
英ポンド・円 : 「ベア」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
強い米経済指標を手掛かりに「ブル」ポジションが取られている。
強気な発言が伝わっており、オバマ米大統領の「今週の経済指標で、力強い経済成長が
予想される」との一部通信社による報道や、著名投資家ウォーレン・バフェット氏によ
る「米経済は蒸気を上げ加速している。危険な欧州経済に対する米経済への影響は限定
的」と述べたことなどから、週末に控える雇用統計発表を前に買われやすい地合が形成
されつつあるとも考えられる。


ユーロ円は「ブル」
日本の政局不安と中東勢のユーロ離れ観測から拮抗しつつも、比率はやや「ブル」だ。
ユーロ経済懸念に対しサルコジ仏大統領が新たに「ユーロ圏の経済政府構想」を提唱し
ている。ユーロ圏各国首脳と事務局がユーロ圏の経済政府としての役割を果たすことを
求めており、EUのファンロンパイ大統領も支持している。これを受けてか、対ドルでの
動きは、下落した後も再度上値を試す展開が散見されており、新経済構想がユーロの底
入れとなるのか注目したい。


ポンド円は「ベア」
3日連騰に対して調整売りが入り、若干「ベア」気味。
キング英中銀総裁は「インフレ目標の枠組みは金融危機の間もうまく機能した」と発言
しており、また「英国のインフレは英中銀の目標を達成する」との見通しを示している。
ファンダメンタルズにも改善の兆しが見えつつあり、英中銀の金融安定化に向けた動向
がポジティブな材料となれば上値を試す展開となろうか。


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