2010/6/02 EMCOM 証券「みんなのFX」

ドル円は序盤、中国の経済指標やアジア株が軟調なことに加え、アルゼンチンの債務スワップ受諾期限延長、更には日経平均先物取引での誤発注による大量な売り注文など、ニュースのほとんどがネガティブなものだったことで上値の重い値動きとなった。欧州時間に入っても、英FTが1%超安、独DAXも1%超安と大きく下げて始まり、その後も下げ幅を拡大したことからドル高・円高のリスク回避の動きが顕著となり、一時90.537円まで下落した。その流れを引継ぎ、連休明けのNY株式市場も大きく下げて取引を開始したが、米ISM製造業景況指数の結果が59.7と前月の60.4から低下したものの予想(59.0)を上回り、リスク回避志向に歯止めがかかるとの見方からドル買い優勢となり、ドル円は一時91.456円まで上昇した。しかしNY市場の引け間際には「レバノンによるイスラエル戦闘機の攻撃」との報道を背景に弱含み91.016円で取引を終えたが、地政学リスクに対する反応は今のところは限定されているようだ。

ユーロ円は、ユーロ圏のソブリン債務危機に対するくすぶりが消えず、買い材料にも乏しいことから、「世界経済は回復軌道から外れる」との思惑が高まり投資家はリスク資産を放出、一時109.760円まで売られた。また、対ドルでは1.22412ドルと約4年ぶりの安値水準となった。4月ユーロ圏失業率が10.1%と前回3月から更に0.1%ポイント上昇し1998年6月以来の高水準となったこともユーロ売り材料となったが、米国株価や商品相場が持ち直したことをきっかけに、ユーロ買い・円売りが膨みリスク回避姿勢が後退すると、高値112.860円まで買われたが、引けにかけては売られる格好となり111.423円で取引を終えた。


本日の展開


欧州中央銀行(ECB)が「ユーロ圏の銀行が2011年に最大で1050億ユーロ(約12兆円)の損失を計上する可能性がある」との試算を発表したことや、昨日のギリシャやスペイン、フランスのCDS5年物スプレッドが拡大したことなどを受けてユーロリスクが高まり、対ドルで一時2006年4月14日以来の安値を付けた。ユーロ圏の財政問題など根本的な部分は何も解決していない状況で、今回のようにユーロ関連のネガティブなニュースに対して敏感に反応しやすい地合は継続するものと思われる。しかし最近の値動きも以前に比べれば、幾分か落ち着きを取り戻しつつあるようで、ユーロ関連の悪材料が出てこなければ、再び緩やかに円安に向かう可能性もあるが、上値の重さも顕著なため、しばらくは方向感を探る展開が予想されそうだ。

一方でカナダ中銀(BOC)は、昨日の政策委員会で政策金利となる翌日物貸出金利を25bp引き上げ0.50%とすることを発表した。また公定歩合を25bp引き上げ0.75%とし、預金金利を0.25%に据え置いてスプレッドを50bpへ広げた。利上げは概ね予想通りではあったものの、一部ではユーロ問題を嫌気した見送り観測も出ていただけにポジティブに受け止めることができそうだ。また今回の利上げは2007年7月以来で、9回連続の据え置きを経た上での決定であり、リーマンショック後のG7諸国では初の利上げにもなるため市場のリスク許容度もやや上昇したようだ。好調だった米経済指標の結果も考慮すると、そろそろドルのロングポジションをとりたいところだが、週末に控える雇用統計が抑止力となっているようで、今はまだ様子見のスタンスで臨みたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円  90.000- 92.500
ユーロ・円 108.000-114.000
ポンド・円 129.900-134.000

【今日の主な経済指標】

08:50 JPY マネタリーベース
10:30 AUD 四半期国内総生産
16:15 CHF 実質小売売上高
17:30 GBP マネーサプライM4確定値
17:30 GBP 消費者信用残高
18:00 EUR 卸売物価指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
20:30 USD チャレンジャー人員削減数
23:00 USD 住宅販売保留指数

≪2010年6月1日クローズ時点≫

ドル・円 : 「ブル」
ユーロ・円 : 「ブル」
ユーロ・ドル : 「ブル」
英ポンド・円 : 「ベア」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
NY市場の引け間際に「レバノンによるイスラエル戦闘機の攻撃」との報道を受け、地政学
リスクが高まったものの「ブル」となっている。一時的なものであるなら影響は限定され
る可能性は高いだろうが、詳しい状況が判明するまでは慎重に対応したい。


ポンド円は「ベア」
英保険大手プルデンシャルが米保険大手AIGのアジア部門AIAの買収を断念するとの報道を
きっかけに利益確定のポジション解消が散見され「ベア」。巨額な買収額についてプルデン
シャル株主から反感を買っている上に、買収株の引き下げ案についてもAIGから拒否されて
おり買収交渉は暗礁に乗り上げていたが、巨額の買収案件が無くなることで、ポンド売り・
ドル買い需要の低下が見込まれるかもしれない。


豪ドル円は「ブル」
豪州の政策金利は4.50%で据え置きとなったが、大方の予想通りの結果でありポジション
は「ブル」だ。注目の豪中銀の声明文の内容は「短期的な金融政策は適切」とし、成長率
については「トレンド付近になる」としており、前回の声明で盛り込まれた「トレンドを
若干上回る可能性もある」との文言は削除されていた。なお欧州の情勢については「全般
に弱い」としており、豪中銀が当面利上げを見送るとの見方が濃厚となっている。主要輸
出国である中国のPMIが弱かったことも悪材料だが、イベント消化後はショートカバーが
散見されており、欧州や中国の状況を見据えた上での判断が必要となるだろう。


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