2010/5/25 EMCOM 証券「みんなのFX」

昨日のドル円は東京市場序盤、韓国の李明博大統領が「北朝鮮が韓国を攻撃した場合、自衛権を行使する方針」との発言を背景とした地政学的リスクの拡大を受けたリスク回避の円買いに一時89.743円まで下落となった。しかし、ガイトナー米財務長官の「中国首脳が為替相場改革の重要性を認識していることを歓迎」との発言を受けアジア株が下げ渋ると、90円台を回復。その後は、90.20円を挟んだ小幅な値動きが続いたが、欧州勢参加後は欧州株式市場が下落するとユーロを始め欧州通貨が軟調に推移してドル円も90円近辺までつれ安となった。しかし、NYタイムでは米国の4月中古住宅販売件数は577万件と市場の事前予想を上回り、2009年11月以来の高水準を記録した事や、米4月シカゴ連銀全米活動指数は+0.29となり、前回より強い結果となった事が好感され、一時90.611円まで上値を拡大した。引けにかけて小幅に反落するも90.265円で取引を終えた。

ユーロ円は、週末に「スペイン中銀が同国の貯蓄銀行最大手カハスールを救済する」と伝わったことを受けて、週明け朝方からユーロ売りが優勢となり、日経平均やGLOBEXのNYダウ先物が前週末比マイナス圏で始まったことで、東京市場では112.10円付近まで下落した。さらに欧州市場に入ると高く寄り付いた欧州株が下落へと転じたことでリスク回避姿勢が強まり、111.221円まで売り込まれた。NY時間に入りショートカバーが散見され112円を回復する局面もあったが、引けにかけNYダウの下げ幅が100ドルを超すとジリジリと値を崩し111.573円で取引を終えた。
       
                   本日の展開

さて本日のドル円だが、北京にて米中戦略・経済対話が開催されているものの、人民元について協議されず、欧州の債務危機や危機政策からの出口を議論したことが明らかとなった。欧州問題による中国の利上げ観測の後退や、中国国内での新たな引き締め措置の導入が見送られるとの見方も高まっており、目先のリスク要因は回避されそうだ。また、先週から株安が大きく進んだこともあり、株価がいったん調整する可能性も考えられ、欧州の信用不安の話題も下火となってくれば、極端なリスク回避による円の独歩高も一服する可能性もある。先週の急落以降の抵抗線である90.50円付近を明確に上抜けできれば、もう一段踏み上げられる可能性も出てくるだろう。

ユーロ円は、独仏が電話会談しユーロ支援で合意したことや、ガイトナー米財務長官が今週26日と27日に英国とドイツを訪問すると発表されたことで協調行動が協議されるとの期待から「ユーロ相場の崩壊」といった極端な悲観論は後退しつつあり、膨らんでいるショート・ポジションを巻き戻す動きも予想することが出来そう。しかし、欧州PIIGS諸国の信用不安や緊縮財政による景気減速懸念、金融規制強化を嫌った投資マネーのユーロ離れ観測など、売り要因は依然払拭されてはいない。また、南欧の財政危機に対するメルケル独首相の対応は国民から評価されていない為、政治的な打撃となることも否定できず、ユーロ圏の政治的なきしみもユーロ売りにつながる可能性があるだろう。加えて、EU当局はユーロの急激な変動に対しては警告しているものの、現在のユーロの水準そのものは懸念しておらず、実弾介入を実施する可能性は小さいとみられ、下落余地はなお大きく、再び110円割れの展開も意識しておきたい。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円  89.00-91.50
ユーロ・円 109.50-112.50
ポンド・円 129.20-131.80

【今日の主な経済指標】

17:30 GBP 四半期国内総生産
18:00 EUR 製造業新規受注
18:30 ZAR 四半期国内総生産
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
23:00 USD 住宅価格指数
23:00 USD 消費者信頼感指数

≪2010年5月24日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ブル」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
米中古住宅販売は予想を上回る内容となったことでセンチメントの改善から「ブル」が
優勢となった。しかし、「リスク回避時には円買い」という流れが定着しつつあり、何
か懸念材料が出るたびに円が反射的に買われる傾向が強く、下値警戒も怠ることが出来
ない。

ポンド円は「ブル」
ユーロ圏の金融規制強化やPIIGS諸国の信用不安を嫌って、ユーロからポンドにシフトす
る動きが強まっており、「ブル」は継続された。また、オズボーン英財務相は62億ポン
ドの歳出削減を表明しており、新政権の財政再建に対する期待感もサポートとなりそうだ。

豪ドル円は「ブル」
先週だけで10円近く下落しており、下げ過ぎ感が出ていることもあって「ブル」が優勢。
金相場や原油相場も底堅い動きとなり、資源国通貨売りの流れも一服感が出てきた。また、
米国が中国に人民元切り上げを強く迫らなかったことも、豪経済にとってサポートとなる
可能性があるだろう。

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