新興国投資はファンドやETFで



インド、ブラジル、ベトナム、タイ。爆上げの期待が膨らむこれらの新興国。それでは、どのような投資方法でアプローチするのが最善なのだろうか。

「やはりファンドを利用するのが一番でしょう」そう語るのは鈴木氏。

「個別の企業の情報まではなかなか仕入れにくいものです。であれば、ファンドを使ってさまざまな企業に広く投資したほうが、国の成長に合わせて利益が膨らんでいくことを実感できます」

ファンドには購入時にかかる販売手数料と、運用にかかる信託報酬という2つの手数料がある。新興国ファンドの場合、国内の投資信託などに比べてこの手数料が高めに設定されていることが多いのが頭の痛いところだ。

「しかし、販売手数料が3%だったとしても、10年間ファンドを持ち続けていれば、1年あたりの手数料は0・3%と計算できます。ですから手数料を薄めるには、一度にまとまった金額で投資するのがポイントです。購入のたびに手数料がかかるので、小出しに買うのでは薄めることができません」

とはいえ、積み立てでの購入には、費用を平準化できるドル・コスト平均法が働く。乱高下の続く新興国市場において、リスクヘッジの意味合いも持つが、鈴木氏は「上昇基調がずっと続くのであれば、結局、高値掴みになってしまいます」と指摘する。

一方、山野氏はインデックスETFをあげた。

「新興国の銘柄の一つひとつはまだ小さく不安定です。中には成長する企業もあれば、潰れてしまう企業もあるでしょう。それらの平均を取るために、新興国の株価指数に連動するインデックスETFを利用します」

この考え方をもっと広げると、複数の国をまとめたパッケージング型のETFに行き着く。

複数の国に分散して投資しておけば、ある国が成長しなかったとしても、ほかの国の成長がそれをカバーしてくれることになる。要は分散投資によって保険をかけていく、というわけだ。

「どうしても個別株に投資したいのであれば、その国のリーディングカンパニーと呼べるような企業に投資するのがいいでしょう。それ以外の企業は規模が小さく、まだ投資には早いのではないでしょうか。そういった企業を探すためには、その国の個別株がいくつの証券会社で取り扱われているかを調べてみるのも手です。多ければ多いほど安心感がある、ということです」





鈴木雅光氏
証券会社勤務を経て’04年にJOYntを設立。
テレビ・ラジオでの解説、雑誌への寄稿多数。
近著に『「金利」がわかると経済の動きが読めてくる!』(すばる舎刊)など



山野浩二氏
アジアンバリュー代表、アジア全般の情勢に詳しい経済・金融ジャーナリスト。
著書に『タイ株入門』『これから本番!ロシア株入門』(ともに情報センター出版局刊)など