2010/5/19 EMCOM 証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、米上院で「返済能力に欠ける国家のIMFによる融資に反対」との法案が可決された流れからリスク回避の動きとなり一時92円台前半まで売られたが、その後上海総合指数が持ち直して引けたことや、英独株などが上昇して始まったことでリスク選好が優勢となり、92.959円まで上昇した。しかしNYダウがマイナス圏に転じると米10年債利回りが下げ幅を拡大させ、日米金利差の縮小を受けた円買いドル売りとなり92.102円まで下落、引けは92.269円と、前日に引き続き方向感の無い動きで終始した。NYダウが堅調な寄り付き後に下落したことも利益確定のドル売りを促したようだ。

ユーロ円は序盤、113円台後半付近で推移していたが、ギリシャが欧州連合(EU)の緊急支援融資を受けたとの報道が伝わると、ユーロ圏の財政不安が和らぎ買戻しの機運が上昇、反発して115.485円まで上昇した。その後ドイツ政府が独主要10金融機関に対し「国債や株、CDSに対する空売り規制実施」との発表をきっかけにリスク回避の動きが活発化、リスクポジションを手仕舞う流れもあり安値112.061円まで下落し、112.592円で取引を終えた。格付け会社フィッチによるギリシャの格付け見通しを「ネガティブ」(据え置き)としたことも上値を抑制させたようだ。


本日の展開


注目されているギリシャ動向だが、EUと国際通貨基金(IMF)はギリシャに対し「3年間で1,100億ユーロ(1,370億ドル)の融資」を実施することで合意しており、昨日EUから緊急支援融資として145億ユーロがECBを通じてギリシャに送金されたようだ。ギリシャ財務省によると、同国は既にIMFから55億ユーロを受け取ったとしていることから現時点で融資全体のうち200億ユーロ分を受け取ったこととなり、本日予定される10年物国債85億ユーロの償還は無事完了される見込みが立った。またECBは先週の国債買い取りによって供給した165億ユーロの不胎化措置として1週間物預金入札を実施し、銀行223行が応札、(応札額:1,627億ユーロ)募集金額の10倍程に膨張し、入札結果は最高金利が0.29%、平均落札金利は0.28%となるなど好調な入札結果となり、不安材料の一つが除去されひとまず安心感が広がっているようだ。しかし一部では、緊急支援融資一連の動きは「織り込み済み」と見る向きもあり、南欧諸国の国債入札なども控えていることから依然として楽観視することはできない。緊急融資は根本的な解決とはならないため、解決に向けた具体的な対応策が明確になるまではユーロの動向に対して警戒を解くことはできなそうだ。当面はユーロ安傾向の継続やリスク回避のドル買い・円買いが散発しやすい状況に注意を傾ける必要がありそうだ。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円  91.500- 93.500
ユーロ・円 111.000-115.500
ポンド・円 131.000-135.000

【今日の主な経済指標】

13:30 JPY 鉱工業生産・確報値
17:30 GBP 英中銀金融政策委員会
18:00 EUR 建設支出
18:30 ZAR 小売売上高
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 USD 消費者物価指数
21:30 CAD 卸売売上高
27:00 USD 米連邦公開市場委員会

≪2010年5月18日クローズ時点≫

ドル・円 : 「ブル」
ユーロ・円 : 「ブル」
ユーロ・ドル : 「ブル」
英ポンド・円 : 「ブル」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
住宅関連指標が強弱入り混じる結果で、ポジションはやや「ブル」方向に傾いている。
4月米住宅着工件数は67.2万件となり、市場予想の65.0万件より強く、一方で同建設
許可件数は60.6万件となり、市場予想の68.0万件より弱いものとなったがユーロ圏
財政に注目が集まる中、米経済指標への反応は軽微な反応となっているように思える。
とはいえ、本日発表予定の消費者物価指数の結果を受けて、どのような反応がみられ
るか注目の必要はありそうだ。


ユーロ円は「ブル」
ギリシャ国債が無事に償還される見通しとなったこともあり「ブル」。
格付け機関のフィッチは、ギリシャの格付け見通しを「ネガティブ」(据え置き)、ギ
リシャの一般債務についは「2013年には安定へ」と述べたことから、マーケットには
ある程度の落ち着きが広がっているようだ。しかしギリシャ政府の緊縮政策に対する
国民の根強い抗議は健在で、政局が安定するまではポジションの傾けづらい状況が継
続しそうだ。


ポンド円は「ブル」
4月英消費者物価(CPI)が強い結果となり、「ブル」となっている。
昨日発表された、4月英消費者物価(CPI)は前年比3.7%と予想(3.5%)を上回る内容とな
ったことから一時的に楽観ムードが広がった。しかしボーゼン英中銀政策委員の「英国
にとってユーロ圏の低迷は大きなリスク」、「英国の貿易相手の60%はユーロ圏諸国」
との報道を受けて、ユーロ圏諸国の財政懸念がポンドへ波及するとの不安を連想させる
場面もあり心理的には当面弱含む展開も考えられそう。


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