共通のキーワードは「消費の拡大」



 BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)が話題になり、新興国が脚光を浴びたのが’03年。それから6年もの月日が流れたわけだが、2人の専門家からは「まだまだこれから稼げそう」という頼もしい声を聞くことができた。鈴木氏の注目はBRICsの一角でもあるインドとブラジルだ。

 「まずインドで注目したいのは人口構成。中国とは違ってきれいなピラミッド型をしているのです。これは消費活動が継続的に行われていくことを意味します。いずれ人口が中国を抜いても、安定した成長が見込めるでしょう」

 IT化が進み、国際競争力が高まっていることもその要因だとか。

 「またブラジルは’16年夏季オリンピックの開催国になったことが大きいですね。これまで北京にせよ、シドニーにせよ、オリンピックの開催国となった国には経済の追い風が吹きました。ブラジルもご多分に漏れず、消費がますます増え、レアル高も進んでいますよ」

 ブラジルでは10月、海外からの投資に2%の金融取引税をかけることを決定した。ブラジルは輸出産業が盛んな国。レアル高が望ましくないゆえの政策だ。

 しかし鈴木氏によれば「その影響はほとんどない」という。

 「2%の課税など気にならない高成長を外国人投資家たちがわざわざ見逃すことはないでしょう」

 一方、山野氏はベトナムとタイを推薦。いずれも東南アジアだ。

 「ベトナムは人口8600万人の実に半数が30歳以下。これから社会に出たり、結婚、出産を経験したりする世代が多いのです。消費が増えるのは目に見えています。さらに、交通と下水道のインフラの整備中で、外国企業の誘致も続々と進んでいます。まさに70年代、高度成長期の日本と同じ構図が起きているのです」

 日本とベトナムが進める「日越共同イニシアチブ」によって、投資環境が整いつつあることも追い風になると山野氏は言う。

 「タイもベトナムと同じような要素を持っているうえ観光も強い。インド人や中国人の観光客が今、大挙してタイに押しかけていて、その経済効果には計り知れないものがあります。また、自動車部品や電子部品といった、付加価値の高いものを生産する工場も、海外から多く誘致しています」

 タイはシンガポールに次ぐ、東南アジア第2の新興国。先進国のような感覚で投資することができるのだそうだ。

 「さらに、タイには天然ガスや天然ゴム、ベトナムには石油があります。米の輸出も世界1位と2位。資源高の時代にコモディティを持っている国は強いですよ」



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鈴木雅光氏
証券会社勤務を経て’04年にJOYntを設立。
テレビ・ラジオでの解説、雑誌への寄稿多数。
近著に『「金利」がわかると経済の動きが読めてくる!』(すばる舎刊)など



山野浩二氏
アジアンバリュー代表、アジア全般の情勢に詳しい経済・金融ジャーナリスト。
著書に『タイ株入門』『これから本番!ロシア株入門』(ともに情報センター出版局刊)など