2010/5/12 EMCOM 証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、東京市場序盤から欧州の緊急支援措置に対する実効性への懐疑的な見方を背景とした円買いや、本邦輸出企業のドル売りに93円台前半から 92.70円付近へと弱含みに推移した。また、欧州勢参加後もPIIGS諸国を中心とした欧州の信用不安からリスク回避の動きが継続。ドル円は一時92.35円付近へと安値を更新する値動きもみられた。なお、発表された一連の中国経済指標は消費者物価指数が前年比+2.8%、生産者物価指数も前年比+6.8%とそれぞれ予想から上振れし、小売売上高も前年比+18.5%と予想を上回ったものの、鉱工業生産が前年比+17.8%と予想を下回ったことから、市場の反応は限定的だった。欧州終盤からNY時間ではダウが安く寄り付いた後、持ち直したことにつれて円売り・ドル買いの動きとなり、ドル円は93円台まで回復したものの、引けにかけてダウが次第に上げ幅を縮小したことで93円を割れ、92.639円で取引を終えた。

ユーロ円は、序盤から軟調な日経平均、PIIGS諸国の財政懸念、英国の政治的空白等、リスク回避を連想させる材料が並ぶなか上値の重い推移が続いた。東京市場終盤には、短期的なサポートとして期待された前日の安値水準である117.80円付近を下回ると下落に拍車がかかり、117円前半まで安値を更新した。欧州勢参加後も動きは鈍く、ユーロ圏経済への不透明感が強まっていることを背景に、欧州各国の株式市場も軒並み下落していることが嫌気され、安全資産としての位置付けにある円が買われる展開となり、ユーロ円は116.899円まで下げ幅を拡大した。NY時間はダウが下げ渋っていることや、原油先物が77ドル台半ばまで反発するなどリスク回避ムードが緩和され、一時118円中盤まで反発する場面も見られたが、ショートカバーが一巡した後は再び下落、前日比-1.776円の117.408円で取引を終えた。


本日の展開


さて本日のドル円だが、米経済指標の発表は貿易収支、MBA住宅ローン申請指数などが予定されているものの、引続きギリシャなどユーロ圏諸国を巡るニュースに注意を払いつつ、日欧米の株式・商品市場の動向を見極める事が焦点となりそうだ。メインシナリオとしては、欧州の緊急支援策に対する懐疑的な見方や、ギリシャの格下げ懸念を背景とした株価の軟調な推移が想定され、リスク回避的に円が選好されやすい状況が続くと予想される。テクニカル的には92.10円付近に差し掛かる5日間移動平均線が、短期サポートとして機能するか注目したい。なお、米国債四半期定例入札が予定されており、米長期金利の動向も特に対円でのドル相場を左右する要因の一つとなっていることから、日本時間深夜2:00の米10年債入札結果などを受けた米債券市場の反応にも注視したい。

ユーロ円は引続き警戒が必要となろう。巨額の支援措置により欧州発の金融危機に突入するリスクがやや低下し、10年物ギリシャ国債利回りが先週の12%台から7%台に急低下するなど、短期的には安堵感が浮上している。しかし、EU財務相理事会が決定した最大7,500億ユーロの欧州安定化メカニズムは金融市場に対する「痛み止めに」過ぎず、財政赤字問題を解決する手段ではないとの見方が大半のようだ。また、ECBや欧州各国中銀による政府債買い入れも中央銀行のバランスシートの劣化を想起させ、ユーロの信認を損なう可能性は低くないだろう。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円  91.60-93.40
ユーロ・円 115.30-119.00
ポンド・円 136.50-139.80

【今日の主な経済指標】
10:30 AUD 住宅ローン件数
14:00 JPY 景気一致指数
15:00 DEM 国内総生産
15:45 FRF 消費者物価指数
15:45 FRF 経常収支
15:45 FRF 国内総生産
17:30 GBP 失業率
17:30 GBP 失業保険申請件数
18:00 EUR 鉱工業生産
18:00 EUR 四半期域内総生産
18:30 GBP 英中銀イングランド銀行、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 CAD 新築住宅価格指数
21:30 CAD 貿易収支
03:00 USD 月次財政収支

≪2010年5月11日クローズ時点≫

ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
根強い欧州信用不安を受けた円買いから弱含みの展開となり、93円を割れる場面では
買いが目立ち「ブル」となった。本日も欧州財政問題の解決には時間がかかるとの見
方が意識されれば、ダウ先物や欧州株の下落を背景に市場がリスク回避と向かう可能
性が高く、今週の安値である91.690円までの下押しも考えられる。


ポンド円は「ブル」
労働党と自民党の連立政権樹立に向けた話し合いが物別れに終わったと伝わると、保
守党と自民党の連立政権の可能性が高まり英政治の混迷長期化が避けられるとの見方
から、参加者心理は「ブル」へと傾いている。英のブラウン首相は辞意を表明し、保
守党のキャメロン党首が新首相に任命され、政権交代が成された。今後どのような金
融政策をとって行くのか期待が高まろう。


豪ドル円は「ブル」
リスク回避志向は依然として高く、原油市況やアジア株も概ね弱含みに推移しており、
豪ドルに対する調整圧力も高まって下落。82円台では参加者の押し目買いが散見され
「ブル」優勢となっているものの、人民元切り上げ観測が浮上し、上海株が年初来安
値を更新していることなどから、目先は売り圧力が強まる可能性も考えられる。下値
では押し目買い意欲が強いものの、下落に対する警戒は怠らないようにしておきたい。


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