2010/4/29 EMCOM 証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、米格付け会社S&Pによるポルトガルとギリシャの格下げをきっかけに欧州の信用不安が再燃し、リスク回避の円買いが加速したNY市場の流れを引き継ぐ中、日経平均が大幅に下落して始まったことから、東京市場序盤は93円付近へと下値を試す展開となった。しかし、強めの豪第1四半期消費者物価指数を受けた豪ドル円の上昇につられたこともあり、じりじりと反発。また、上海株などアジア株が下げ幅を縮小したことでクロス円に買い戻しが入り93.40円付近まで回復した。欧州市場に入ると10年物ギリシャ国債の独連邦債に対する上乗せ金利が一段と拡大したほか、欧州株の下げ幅拡大を背景に対ユーロでのドル買いが優勢となったことが波及すると、対円でも94円付近まで上昇する場面がみられた。NY時間では、FOMCが声明を発表。金利や声明文における「長期にわたる低金利政策を維持」の文言は残ったが、見通しとして「経済は強まり続けている」「労働市場は改善し始めた」と示されたことでダウが上昇。ドル円は一時94.315円まで上値を拡大し、94.055円で取引を終えた。

ユーロ円は、欧州の財政問題深刻化を背景とした前日の下落が急ピッチだったことから、アジア市場ではポジション調整の買い戻しが優勢となった。また、英FT紙が「国際通貨基金(IMF)はギリシャ支援への拠出を100億ユーロ拡大することを検討している」と報じたことで、東京市場中盤には123.30円付近へと持ち直した。しかし、欧州勢の参入後は欧州株が下落して始まり、 GLOBEXのNYダウ先物も軟化するなどリスク回避の動きが再び優勢に。また、ギリシャの2年債利回りが一時38%台へと大幅上昇したほか、10年物ギリシャ国債の独連邦債に対する上乗せ金利やCDSスプレッドが拡大するなど、歯止めがかからない信用不安の拡大がユーロの重石となり、一時123円割れとなった。NY時間に入ると、メルケル独首相が「ギリシャ救済を加速させるべき」とした事でユーロは幾分買い戻されるも、格付け機関S&Pがスペインの長期格付けを「AA+」→「AA」へと格下げ、見通しを「ネガティブ」としたことでユーロの上昇は相殺。しかし、引けにかけダウや、原油が上昇したことを支えに124.335円まで回復し、取引を終えた。


本日の展開


注目されたFOMCの声明は、政策金利を0.00〜0.25%に据え置き、「政策金利を“長期間”にわたり異例の低水準に維持する」との文言変更はなかった。一部では米景況感の改善から、今回のFOMCでは出口戦略に向けた議論が活発化するとみられていたが、”長期間”の意味を市場に強く再認識させる声明文だったことで、金利面においてはやや弱含む可能性もあるだろう。また、本日から日本の連休入りとあって、アジア時間の円相場は様子見ムードが強まりそうではあるが、ギリシャ支援やユーロ圏諸国の格付けに関する話題には反応しやすく、注意したいこところだ。

ユーロ円は、欧州ソブリンリスクへの警戒感が強まっており、上値を抑える要因となりそうだ。ギリシャ国債が一気にジャンク級に格下げされたことで利回り格差やCDSスプレッドがさらに拡大し、投機的なユーロ売りをさらに呼び込む可能性は否めない。一旦は、ギリシャへの支援に向けて前進が見られたことから懸念が後退したものの、昨日に続き格付け会社S&Pがスペインの格付けをAAに格下げしたことで、PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国に懸念が飛び火しており、予断を許さぬ状況と考えられる。他の格付け会社は今回の流れには追従していないが、ギリシャへ支援のしっかりとしたフローが示されない限り懸念はつきそうにない。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円  92.900-95.00
ユーロ・円 122.00-125.50
ポンド・円 141.50-144.80

【今日の主な経済指標】

07:45 NZD 貿易収支
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格
16:55 DEM 失業者数
16:55 DEM 失業率
17:00 EUR マネーサプライM3
18:00 EUR 消費者信頼感
18:30 ZAR 卸売物価指数
21:30 USD 新規失業保険申請件数

≪2010年4月28日クローズ時点≫
ドル・円   :「ベア」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ベア」
注目された米FOMC声明文は、前回からほぼ変更なし。長期間の低金利政策が維持され
るとの見方から、ポジションは「ベア」となっている。目先は利上げがないとの見方は
ドルの重石となろう。また、本日より本邦はGWに突入。過去円高局面においては、本
邦不在時に海外勢の仕掛け的な円買いが入る局面もあったことから、注意しておきたい。


ポンド円は「ブル」
ユーロを敬遠する動きから、対ユーロではポンド買いが目立ち「ブル」優勢。しかし、
欧州通貨全体を敬遠する流れにポンドも逆らうことは困難だろう。ギリシャ支援の着地
点がなかなかみえておらず、今後は弱気が優勢となる可能性も。


豪ドル円は「ブル」
豪第1四半期消費者物価指数が前期比+0.9%、前年同期比+2.9%とそれぞれ予想をわず
かに上回ったことも支援材料となり、来週火曜日の豪準備銀行理事会での追加利上げの
可能性が高まったとみて参加者は「ブル」。しかし、消費者物価指数上振れ・追加利上
げというシナリオはすでに織り込み済みとなっており、新たな買いを呼び込みにくい状
況とも考えられる。また、ギリシャ支援を巡る不透明感や株安連鎖懸念からリスク回避
ムードが強まると豪ドル売りが強まる可能性も高いため注意したい。


---------------
【ご注意】
※当サービスは投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではございません。
※投資に関する最終判断は、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。
※当社は掲載されている情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性、完全性を保証するものではございません。
※当サービスに基づいて被ったいかなる損害についても、弊社及び情報提供元、関連会社は一切の責任を負いかねます。
※いかなる目的を問わず本情報の複製、転送及び販売を固く禁じます。
---------------
EMCOM 証券「みんなのFX」