FXで大敗するも、ゴールドバーに癒される日々



リーマンショック、世界同時恐慌と個人投資家を次々に襲ったクライシス。特にレバレッジを利かせた商品に手を出せば、その被害は甚大だ。中古車販売店に勤める板尾正一さん(仮名・39歳)の場合も、最も被害を受けたのはFXだった。

「投資初心者でも始められるという取っ付きやすさでスタートして、一時期は波に乗って200万円くらいまで。ところが、昨年末からの円高の煽りを受けて、追証、追証……。ロスカットしたときには雲散霧消。元金どころか儲けた分まで消えていました」

最初は小遣い程度から始めたものの、勝てるとわかって突っ込んだ挙句の大敗。しかし、決して小さくない傷を負った板尾さんを癒したのが、友人の勧めで10年ほど前からこつこつ積み立てていた純金積み立てだったという。

「月1万円、カネに余裕ができたら1万5000円積み立てていました。今はようやく150gを超えたくらい。FXにハマッていた頃は見向きもしてなかったんですが、改めて計算してみると、ここ数年の金価格の高騰で30万円弱の利益が出ていたんです」

焼け野原に咲いた一輪の花のような希望の光。

「あと、100gに達したとき、折角だからと現物に代えて手元に置いておいたんです。ほんの小さなゴールドバーですが、30万円相当という価値と、ずっしりとした手応えって、手に持っていると心が落ち着くんですよ。あのとき、もっと早くロスカットしておけば……と悔し涙で眠れない夜も、ゴールドバーを握っていると眠りにつくことができるんです(笑)」

今後、景気が回復するまでは、FXを控えてゴールドを買い続けるつもりだという板尾さん。

「あれだけ神経をすり減らして、結局何も残りませんでしたからね。ゴールドは買った分だけ手元に残るから安心です。ゴールドを積み立てつつ、まったり市況を眺めるブレイクタイムも必要ですね」




板尾正一さん(仮名)
39歳、独身。中古車販売店勤務。
投資は初心者だったが、数年前からのブームでFXを始める、円高の直撃により手痛い傷を負う