2010/3/30 EMCOM証券「みんなのFX」

昨日のドル円は序盤、本日が受け渡しベースで実質年度内最終売買日にあたり売買が交錯したこともあったが、動意はつかず、92円台半ばでの推移。その後は「モスクワの地下鉄駅で爆発があり、30名以上が死亡した」との報道が入ると、テロに対する警戒感からリスク回避の円買いが一時強まって、小幅反落。しかし、欧州勢の参入後は欧州株が堅調に始まるなどリスク選好ムードが高まるとドルと円が連動して下落したことで概ね92.60円前後でのもみ合いとなった。NY時間でも手掛かり難のなかで小幅な値動き。米金利の上昇を背景に上値を窺う局面も見られたが、スティーブンス豪準備銀行(RBA)総裁の発言を手掛りに豪利上げへの思惑が広がる中、対豪ドルで米ドル売りが進んだ影響が重石となって最終的に、前日比ほぼ横ばいの92.472円で引けた。

ユーロ円は、前週末に決定されたEUのギリシャ支援が引き続き好感され、ユーロの買い戻しが優勢となった海外市場の流れを引き継ぎ、週明け早朝は薄商いとなる中、約50銭上昇し、124.582円でオープン。
しかし、買いが一巡した後は失速し、東京市場中盤にかけてじりじりと下落。また、日本時間午後にはモスクワ中心部の地下鉄で連続爆発との報道から、狼狽売りが出る場面もみられたものの、欧州市場に入ると株高・商品高を背景にリスク選好の動きが活発化し、125.071円まで上昇。その後は、心理的な節目(大台の125.00円)を迎え達成感が生まれたことで利益確定のユーロ売り優勢の展開へ転じる形となり、124.320円まで下落。NY時間に入ると、EU首脳会議で協調支援プログラムが決定されて以降、ギリシャが初めて国債(7年債)を発行。市場から資金調達を行ったことで、ギリシャを取り巻く懸念が着実に好転しつつあると受け止められ、市場のリスク許容度を回復。さらにNY金先物がおよそ1週間ぶりの高値を更新したことも好感され、引けにかけ値を戻し、124.658円で取引を終えた。


本日の展開


さて本日のドル円だが、米長短金利の上昇・日米金利差拡大を背景に、堅調な値動きが予想される。また、来月2日に予定される米3月雇用統計について一部の市場参加者からは40万人の増加を見込むとの声も聞かれるなどの強気な見通しから、米国債利回りはさらに上昇する可能性が高いと考えることもできそうだ。
加えて、本日早朝にはガイトナー米財務長官が「米経済、他の主要国よりかなり早いペースで力強く危機から脱出している」「米国、雇用の拡大期に向かっている」と発言しており、米国の景況感がドル円相場の下支えとなる展開も十分に考えられる。もちろん先週末からの上昇が急であったことで高値警戒感が強く、一旦調整が入る可能性や、イレギュラーなフローが交錯する可能性は十分にある。しかし、期末のリパトリによる円買いは終わり、新年度入りで本邦機関投資家の外債投資拡大が期待されるほか、今週は外貨建投信設定が多数予定されており、需給面からも円の先安感が広がる可能性が高そうだ。従って、さらにドル買いが進む可能性も視野に入れておきたい。

一方ユーロ円だが、ギリシャ支援の合意によって、市場はリスクテイクへ積極的な姿勢を見せ始めており、目先はユーロの買戻しが入り易く、底堅い推移も予想される。しかし、人民元問題を巡っての米中関係は依然として緊張状態にあることや、ユーロ圏においてポルトガルやスペインなどの新たな火種には常に警戒しておきたい。また、トリシェECB(欧州中央銀行)総裁が「IMFによるギリシャ支援は非常に悪い」と苦言を呈したことでユーロ圏政府とECBの意見の対立が顕在化し、またIMFが関与することでEUの求心力が低下するとの懸念も根強く、決して楽観視は出来ない。さらに、今週末に予定される米3月雇用統計の結果次第では、米公定歩合の引き上げ及びFF金利の早期引き上げ観測の再燃から対ユーロでドル買いが先行する可能性もあり、バイアスの傾けすぎには注意が必要となろう。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円  92.00-93.50
ユーロ・円 123.00-125.50
ポンド・円 137.20-140.50

【今日の主な経済指標】
15:45(仏) 第4四半期GDP(改定値)
17:30(英) 第4四半期GDP(確報値)
20:45(米) 週間チェーンストア売上高
21:30(加) 2月生産者物価指数
21:30(加) 2月原材料価格
22:00(米) 1月S&Pケース・シラー住宅価格
23:00(米) 3月消費者信頼感指数

≪2010年3月29日クローズ時点≫
ドル・円   :「ベア」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ベア」
週末からの上昇が急であったことで参加者は高値を警戒感し「ベア」が優勢。ギリシャ危機
がようやく区切りを迎えたことで極端なリスク回避ムードは後退し、これまで大幅に売られ
ていた欧州通貨が持ち直しに転じると安全通貨のドルと円は相対的に売られ、方向感の出な
い展開も予想される。目先は92.00〜93.00のレンジブレイクが一つのポイントとなりそうだ。


ポンド円は「ブル」
ギリシャ危機の沈静化により欧州通貨を買い戻す動きが広がっており、参加者も「強気」の
スタンスだ。日欧米の株価堅調で高リスク通貨が物色されやすい地合いとなっており、目先
は上値を窺う展開が続く可能性は高い。ただし、市場の関心が英国の景気・財政懸念に移る
可能性も否定できず、過度の強気は禁物となろう。


豪ドル円は「ブル」
利上げ観測や、資源価格が概ね堅調に推移したことで参加者は「ブル」を選択。スティーブ
ンス総裁をはじめとした複数のRBA高官が、追加利上げを示唆するコメントを出しており、
一部のアナリストの間で4月の利上げを予想する声も出ている。前日は高値を84.912円まで
更新し約2か月半ぶりの水準まで上昇。明日は、2月小売売上高の発表も控えており、内容が
良ければ年初来高値である86.206円を試す動きとなりそうだ。


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