吉田 恒氏
 最近の円安が良いか悪いかは立場によって違うし、それは国内外においても同じだ。今回は国外について考えてみたい。



◆1997-1998年のアジア通貨危機との不気味な類似


 最近のドル高・円安は、ドル/円の5年移動平均線からの乖離率が+20%以上に拡大する動きだ<資料参照>。これは、1990年以降では1997-1998年以来の2度目。そんな1997-1998年に起こったのがアジア通貨危機だった。

円安
 このアジア通貨危機になった一因は、まさに円安と考えられた。大幅な円安は、韓国に象徴されるように、輸出競合相手の多いアジア諸国の経済にとってはマイナス作用となる。そんな円安も、5年線からの乖離率がプラス20%以上に拡大し、日本政府が1990年以降で唯一円安阻止介入に動いた1997-1998年に、アジア通貨危機は起こったわけだ。

 さて、最近の5年線からの乖離率はそんな1997-1998年以来の20%以上の拡大になっている。日本国外においても、アジア通貨危機が再燃する「悪い円安」になっている可能性はないだろうか。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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