吉田 恒
 記録的な小動きが幻だったかのように、為替相場が大きく動き始めた。ただ、これ自体はむしろ経験則通りといえるものだろう。


◆小動き一転大相場は経験則通り



 ドル/円の値幅が3円未満の小動きが終わった後は、一両月中に一気に値幅が5円前後に急拡大するのがこれまでの経験則の示すところだった<資料参照>。今月のドル安値は104円なので、109円を超えてきたことで、値幅は5円以上に拡大してきた。8月で3円未満の小動きが終わった直後に、一転して大相場になったのは経験則通りといえるものだ。

※<資料>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=718536

円安
 そんな経験則においては、一両月の値幅が6円以上に拡大したことはない。その意味では、今月中に110円を超えてくるようなら、今回の小動き終了後の大相場はいよいよ過去最大のものということになるが、果たしてどうか。

 ただ、月間の値幅が6円以上に拡大したのは、2000年以降、今年8月までの176か月で35か月。つまり2割の確率だった。その意味では、このまま今月中に110円を超えて、値幅が6円以上に拡大するのは2割程度の低い確率の結果ということになる。

 小動き終了後に一転して大相場になるのは、これまでのところ経験則通りだが、問題はこれが新たなトレンドの始まりか、それともクライマックスかということ。それについては経験的にはどちらもありうる。

 たとえば、2か月以上、3円未満の小動きが続いた今回を除く過去の4例を見ると、一転して大相場が始まった2007年6月と2011年7月は円安、円高それぞれのトレンドのクライマックスだったのに対し、2012年2月と2012年11月は円安トレンドが加速するタイミングで起こったものだった。

 以上のように見ると、続いてきた小動きが終了すると一転して大相場になるというのは、基本的な相場のパターンだが、それが新たなトレンドの加速なのか、それとも逆にトレンドの最終局面で起こるかといえばそれはどちらでもありうる。

 別な言い方をすると、トレンドの始まりか終わりかは、別な物差しで考える必要があるだろう。トレンドの始まりか、終わりかについて、私は購買力平価や中長期移動平均線からの乖離率などで考えてきた。その観点からすると、今回の小動き終了後の大相場は、あくまで円安トレンドにおけるクライマックスの可能性が高いのではないか。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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