吉田 恒
 世界一の年金マネー、GPIFが積極的にリスクをとる運用方針へ改革される見通しだという。これまでの「安全資産」国内債中心から、「リスク資産」株、外貨資産へ運用シフトするという。ただし投資はタイミングだ。運用シフトを行うとして、すぐにやるのは国内債売りではないか。



◆まずは国内債売り、株と外貨は下がってから買い



 投資の大原則は、「割安なものを買い、割高なものを売る」ということ。その観点からすると、現在はGPIFにとって主要な運用対象の国内債、株、外貨のすべてが中長期的に割高な状況にあるようだ。

 5年移動平均線からの乖離率を見ると、国債利回り(10年物)は割安の限界に近い。つまり国債価格は中長期的に割高圏にあるということだ。そして円の総合力を示す実効相場は割安の限界圏にある。それを裏返すと、外貨は割高の限界圏にあるということだ。そして日経平均はまさに割高限界圏にある<資料参照>。

※<資料>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=710913

0908資料
 以上からすると、GPIF改革に伴う国内債売りはすぐにやる可能性があるが、株と為替リスク資産(外貨)買いはすぐにはやらないのではないか。

 GPIF改革に伴う株と外貨買いは、株安、円高が起こり、アベノミクス崩壊説が広がり始めたところで、具体的には日経平均1万円割れ、円高90円割れのようになったところで、その阻止役として登場、あくまで「アベノミクス救世主」の役割が期待されそうだ。

 そうではなくて、「割高なリスク資産」を積極的にリスクをとるといった動きに本当に出るなら、「高値づかみ」となり、株安、円高阻止の余力が限られるようになるリスクもある。以上のように見ると、GPIF改革の最重要点は、資産運用だけにまさにタイミングで、それを見誤ると「大変なことになる」リスクがあるのではないか。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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