会社四季報』はもはや、投資家の必読書。だが、そのポテンシャルを引き出せている人は少ないのでは? 秋号発売前に知られざる裏読み方法を大公開!


◆本当は教えたくない秘密を公開!?



「四季報には一万円札が詰まっている」

 そう話すのはJACK氏。サラリーマンながら億を超える資産を築いた投資の達人だ。四季報はご存じ、東洋経済新報社から年4回発行されている投資家のバイブルともいえる一冊。約2000ページ、厚さ5cmにもなる同書には、実は知られざる読み方がある、とJACK氏は言うのだ。9月秋号の発売直前に、その読み方をひも解いてしまおう!

◆業績予想のサプライズを簡単に確認する方法

会社四季報
「最初に注目するのは業績予想。売り上げや営業利益が横ばいから上向き始めた銘柄は注目します」

 こう読むのは、“四季報歴”10年以上、資産2億円のwww9945氏だ。会社四季報の売り物は100人以上の記者による独自の業績予想。この予想で株価が動くことも頻繁なのだ。

「1社の記事につき3人がチェックしています。予想なので記者の腕に左右されますが、当たる記者は大胆な予想を出すことが多い。当たる記者? それは教えられません(笑)」と裏事情を教えてくれたのは会社四季報オンライン編集長の山本隆行氏だ。1人の記者が平均30~40社を担当するので、過去の予想が的中した銘柄と同業界の銘柄はセンスある記者が担当している可能性あり。ただし、担当業界は「担当企業との癒着防止のため」2年ごとに替わる。

「業績予想は前号から今号でどう変わったか、変化幅が大切です」と指摘するのはカブ知恵の代表でありアナリストの藤井英敏氏。横ばいだった見通しが大幅増益に、といったサプライズは絶好の買い材料になる。一見、手間のかかりそうな分析法だが、欄外の矢印を見れば一目瞭然。「↑↑」とついていれば前号の利益予想から30%以上の伸びということになる。

「巻末特集で会社予想と四季報予想を比べた『会社予想比増額率ランキング』も載せており、これも参考になると思います」(山本氏)

◆「増配も」「増配か」高確率なのはどっち?

「四季報はコメント欄が一番面白い。微妙な表現の違いの裏を読むんです。『増配も』『復配』『記念配』は要注目」(JACK氏)

 コメント欄は200字弱の分析記事だが、この行間にこそお宝は埋まっているという。

「『増配か』と『増配も』でも違いがあります。当然、取材先から言質など取れませんが、かなりの確信を持っているときが『増配も』。一方で、『増配余地』という表現は、会社が公表している配当性向(利益に対する配当の割合)に対して実際の配当が達していないため『余地がある』のであって、『増配も』より確度は下がる」(山本氏)

 事業に関する表現も要注目。

「『絶好調』とついた銘柄が四季報発売日に上がることは多い。特に東証2部や新興銘柄だと、値動きがよくなる」(JACK氏)

 ただし、あるキーワードと混在するときは注意も必要。

「『フル稼働』『フル生産』の単語があるときは、頭打ちの可能性も。四季報には設備投資の予想額も記載しているので、成長への布石のために投資を増やしているか確認するといいでしょう」(山本氏)

 逆に、悪材料ばかり書かれている銘柄にも妙味があることも……。

「見通しの悪い会社のコメント欄では好材料について先に触れ、そのあとに悪材料を書きます。悪材料しか書いていなければよほど見どころがないということで、逆にそれを『大底近し』と考える投資家もいます(笑)」(同)

⇒【後編】「9月発売号で株価上昇濃厚のキーワードは…」に続く http://yenspa.jp/31875.html

― 『会社四季報』裏読みガイド【1】 ―