吉田 恒

 ユーロ安が進み、1.30ドルの大台割れも視野に入る展開になってきた。そんなユーロは、4月までは金利差では説明できないユーロ高、「謎のユーロ高」が続いていた<資料1参照>。それが最近のように、金利低下に反応する「素直なユーロ安」になったのはなぜか。


※<資料1>はコチラ⇒
http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=708044


0901資料1

◆変わったのは「投機ユーロ売り」



 5月のドラギECB総裁発言などをきっかけに1.4ドルでユーロ安へ転換する前までは、金利差で説明できない「謎のユーロ高」が続いていたが、その主因はFRBとECBのベースマネー比率、簡単な言い方すると量的緩和を行っているFRBに対し、ECBは量的緩和を行っていないこととされた<資料2参照>。

※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=708045

0901資料2
 その点は、ユーロ安に進む最近でも実は変わっていない。ベースマネー比率が示唆するユーロドル水準は1.55ドル程度のユーロ高・ドル安。それなのに、なぜ「謎のユーロ高」は「素直なユーロ安」になったのか。

 5月を前後し、大きく変化したものの一つに投機筋の売買姿勢がある。5月以降ユーロ売り拡大に動いた投機筋のポジションは、2012年のユーロ危機局面に肩を並べるほどの記録的なユーロ売り越しとなってきた。

 4月以前から金利差はユーロ安を示唆していたが、それを黙殺していたユーロ相場が、5月以降金利差に素直に変わった裏では、投機筋のユーロ売り拡大があった。ただしそのユーロ売りもかなり大幅に拡大、さらなる拡大が試される局面を迎えている。今週のECB理事会、それを受けた独金利の動きなどが一つの分岐点になりそうだ。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
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