日本株の上昇に出遅れていた地方単独上場の銘柄も、ついに再評価が始まりつつある。いまだ割安なまま放置されたお宝銘柄は何を契機に化けるかわからない。その魅力とともに注目銘柄を達人たちに聞いた!


◆札幌、名古屋、福岡に眠るお宝を狙い撃て!



藤本誠之氏
 アベノミクス株高で割安銘柄が急速に見直された日本株。しかし、東証ではなく、名古屋や福岡、札幌といった地方証券取引所に単独上場している銘柄の中には、いまだ出遅れた有望なお宝銘柄が眠る。

「外国人をはじめとした機関投資家のポートフォリオに組み込まれることが少ないため、東京証券取引所の銘柄が上がっても、地方銘柄は出遅れやすいんです。にもかかわらず、名証のある愛知県は工業資産額日本一の県だし、福岡はアジアへの玄関口として発展中。地方単独上場の銘柄にも注目すべき企業は多いんです」(SBI証券チーフアナリスト・藤本誠之氏)

 こうしたなか、機を見るに敏なカリスマ個人投資家にも地方銘柄を購入する動きが活発化している。

◆あのカリスマ投資家も資産を地方銘柄にシフト

「奇しくも、安倍政権は地方の橋梁や道路の補修に力を入れています。地域に根を張る工事関係の会社も地方証取に上場していて、業績好調な会社は多いんですよ」

 こう話すのは個人投資家のDAIBOUCHOU氏だ。ピーク資産10億円のカリスマ個人投資家が今、注目するのは地方銘柄。日本株の3分の1を地方証取単独上場の銘柄にシフトさせているという。

「昨年、東証の銘柄が急騰して割安感が薄れたため、地方に目を向けたところ、割安銘柄がたくさん残っていたんです。今も出遅れた銘柄がありますが、地方銘柄のポイントはPBRだけで割安度を見ないこと。資産面での割安銘柄は余剰気味でいつまでも割安なまま放置されることも多いんです。PERと併せてみることが大切です。目安はPER10倍以下、PBR1倍以上。この基準だとROEは10%以上になり、割安、かつ成長性の面でも期待できる」

 割安株を買ったものの、いつまでも株価は低迷――といった割安株によくあるケース。特に、流動性が少なく地味な地方銘柄には多い。ところが、地方銘柄には独特の超好材料がある。

「地方銘柄の株価に最大のインパクトを与えるのは、東証への上場。昨年11月に福証で上場していたOCHIホールディングス(3166)が東証2部への上場を発表し、株価が急騰しました。もともと業績は好調なわけですから、東証上場すれば機関投資家や投資信託の買いが入りやすくなる。さらに株価の上昇が期待できるわけです」(DAIBOUCHOU氏)

東証上場
 確かに、時価総額700億円の岡谷鋼機(名1・7485)など東証1部に上場していても遜色ない銘柄は散見される。では、東証鞍替え上場のシグナルは何か?

⇒【後編】「急成長中のライザップはさらに爆騰するか?」に続く http://yenspa.jp/31689.html

<地方に眠るお宝銘柄>

【藤本氏注目銘柄】

●岡谷鋼機(名1・7485)
現在の株価:1430円/鞍替え期待度:★☆☆
PBR:0.5倍/PER:6.3倍

創業は江戸初期の1669年。鉄鋼や機械を扱う中部財界の名門商社。時価総額700億円と東証1部中位レベル。いつでも東証へ行けるはずだが、名証にこだわるのは地元へのこだわりゆえか

●未来工業(名1・7931)
現在の株価:1535円/鞍替え期待度:★★★
PBR:0.8倍/PER:15.4倍

劇団をルーツとする変わり種の電設資材メーカー。「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞を受賞。従業員に株式を付与する施策の実施など株価意識は高く時価総額400億円弱と規模も十分

●東海エレクトロニクス(名2・8071)
現在の株価:492円/鞍替え期待度:★★☆
PBR:0.5倍/PER:10倍

電子機器などを扱う専門商社。自動車向けが好調。今期業績は横ばい予想だが、連続増配中で配当利回りは3.7%。海外部門の売上比率も29%と高くアベノミクス円安の追い風を受けやすい

※株価などのデータは7月29日時点のもの

【藤本誠之氏】
SBI証券シニアマーケットアナリスト。オールアバウト株式ガイドも務め、個人投資家からの信頼も厚い銘柄予測の達人。ついた異名は「相場の福の神」。『朝13分で、毎日1万円儲ける株』(明日香出版社刊)

【DAIBOUCHOU氏】
個人投資家。不動産流動化銘柄で大成功を収めピーク時には10億円の資産を築く。リーマンショックで資産は目減りするも、悠々自適の生活は変わらず。現在は割安株中心のスタイル

― [地方銘柄]ベストバイ10選【1】 ―