これまで最少で1円単位だった東証の刻み幅が10銭単位になった。「投資家の取引コスト軽減のため」のようだが……実は、個人投資家にはマイナスでしかなかった!? 闇株新聞氏がその構図を分析する。


◆刻み値幅を最小10銭にした東証の愚策で個人投資家は不利に【後編】

(ブログ&有料メルマガ管理人「闇株新聞」氏)

⇒【前編】はコチラ

 恐ろしいのは、こういうピント外れの愚策を平然と行う東証(あるいは親会社の日本取引所グループ)が日本の証券市場における独占の官制取引所であるという「不幸」である。従来はSBI証券のPTS(私設取引所)が独自に刻み幅を縮小していたが、こういう民間のニッチ分野に独占の官営取引所が進出したのである。

 もし東証が少しでも投資家の利便性を考えているのなら、例えば株価が50円以下の低位株の刻み幅を縮小すべきである。東証はボロ株など早く消えてしまえと考えており、ボロ株を売買する投資家は怪しいと決めつけているが、HFTが見向きもしないボロ株を機動的に取引したいと考える一般投資家も多いからだ。この際、一般投資家は東証(上場しているのは日本取引所グループ)株式の不買運動でも起こして株価を下げ、海外の大手取引所に買収されて優良サービスを提供してもらうことを期待したらどうだろうか?

【今週の数字】
HFTが東証の出来高に占める割合
60%
東証でHFTを行っているファンド勢は数十社足らずと言われているが、一日の出来高に占める割合は6割、売買代金では4割に達している。米国では規制の動きも

【選者】「闇株新聞」氏
闇株新聞'10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に'11年10月の「オリンパス事件」と'12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事をアップして話題に。'12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。『闇株新聞 the book』も発売中