記録的な小動き、低いボラティリティに変化の兆しが出てきた。ボラティリティ・インデックス(VIX指数)は4月初め以来、約4か月ぶりの17ポイント前後まで上昇してきた<資料参照>。


※<資料>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=693570

2007年との「不気味な類似」

◆小動き終了後にリスクオフ本格化



 最近と同じように、このVIX指数が10ポイント台といった記録的な低水準まで下落したところから、本格的な上昇に向かい始めたのが2007年後半だった。そしてその2007年後半は、同指数が20ポイントを大きく超えるようになると、株などリスク資産の売却、リスクオフが本格化に向かった。

 これは、2007年前半までの記録的低ボラ局面で、一部に「行き過ぎたリスクテイク」が起こっていたところが、ボラティリティ回復で反動に転じたということが一因だったのではないか。

 記録的な低ボラのピーク、2007年2月、ドイツ・エッセンで行われたG7終了後の記者会見でこんなやりとりがあった。

【問】コミュニケの最初のパラグラフの最後のセンテンスにある「市場参加者が評価すべきリスク」とは何を意味しているのでしょうか。

【尾身(財務)大臣】これは一方的に偏って行動することのリスクを認識することが望ましいということです。

(略)

【問】例えば円キャリー・トレードも意味しているのでしょうか。

【答】様々な市場におけるリスクの偏ったとり方というように理解していただきたいと思います。為替市場も含まれているということであります。

(以上、日本銀行HP「総裁記者会見要旨」より抜粋)

 「金融システムの一部でリスクテイクの増加が見られる」。これは、7月2日、イエレンFRB議長の発言だが、上述の2007年「尾身発言」の「偏ったリスクのとり方」と似ているだろう。このイエレン発言も含めて、最近は、「行き過ぎたリスクテイク」への懸念が一部で浮上していたわけだ。

 以上のように見ると、記録的な低ボラのなかでの「行き過ぎたリスクテイク」の発生は、最近と2007年は基本的に似た構図といえそうだ。そして2007年の場合は、後半に入りボラティリティが回復、さらにVIX指数が20ポイントを超える動きになると、リスクオフが本格化に向かったが、これは「行き過ぎたリスクテイク」の反動もあっただろう。

 このように見ると、今回の場合も、ボラティリティ回復から、さらにボラティリティ急上昇、VIX指数20ポイント超への急騰が起こるようなら、そのなかで行き過ぎたリスクテイクの反動で一転してリスクオフ本格化が起こる可能性は注目されるのではないか。(了)

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吉田 恒【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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