吉田 恒
 先週、ポルトガルの銀行問題をきっかけに、ポルトガルを含む高利回り債券の下落リスクが急拡大した。ポルトガルは単にきっかけに過ぎず、本質は行き過ぎたリスクテークの反動という、一種の「バブル破裂」ではないか。


◆異例の「押し目なき上げ相場」は転換するのか



 高利回り債について、6月FOMC終了後の記者会見で、イエレンFRB議長は、「われわれの目に留まっている。一部で利回り追求の兆候が出ている。これが低ボラティリティ環境を警戒している理由の1つだ」と懸念を表明していた。

 そのうえで、「これがレバレッジの増大や、急激な巻き戻しや金利急騰などを招きかねないリスクテークを誘発するようなら、懸念材料となる」と警告を発した。

 以上のように見ると、「ポルトガル・ショック」の高利回り債下落は、そんな「イエレンの警告」が現実化した結果なのかを見極める必要があるだろう。そして次の焦点は、このリスク回避の動きが、高利回り債のみならず、他の資産クラスにも広がる可能性の見極めだろう。

 とくに米株は、このところ大きな反落のない上昇傾向が長く続いてきた。「S&P500種はもう2年以上も10% の下げ局面を迎えていない。また4月以降は一度も1%以上の値下がりでその日の取引を終えたことがない」(7月10日付けブルームバーグ)とされる。

 以上のように見ると、このポルトガル問題をきっかけとした高利回り債下落が、異例の「押し目なき上げ相場」を続けてきた米株にとって、反落のきっかけになることで、まさに株を含めた他の資産クラスの下落ももたらし、「ドミノ現象」のきっかけになる可能性も注目されるのではないか。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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