巨額の含み損から生還して「テクニカル分析を勉強したい!」と、トレーダーとしてさらなる成長を目指す具っさんだが、実はFXを始める前には猛勉強もしている。

「勉強ってわけじゃなくて、ただ本屋で為替関係の本を端から端まで立ち読みしただけ(笑)。でも、結局一番大事なのはチャートを見ていてわかる相場観だと思ったんです。ただ、『俺は本を読んだんだ!』という自信が背中を押してくれているような気はします」

そう語る具っさんとともに、元プロディーラーで、テクニカルアナリストの資格を持ち、現在はシステムトレードの構築などもしている鈴木隆一氏に「実戦で使えるテクニカル」を直撃した!


テクニカル分析は Simple is the best!


具っさん(以下、具)  初めまして。テクニカル分析を教えていただこうと思って来ました。

鈴木氏(以下、鈴木)  初めまして。でも、それだけ勝ってるんだから、自分の中で何かしらのパターンを作り上げているのでは?

いえ、全然適当で、FOMCでもヤラれたので……。今日、最初にお伺いしたいのは「テクニカルを勉強すれば勝てますか?」ということです。

鈴木 テクニカル分析の本にはいろんなことが書かれてますが、実際にはテクニカル分析だけでは決して勝てないですよ。むしろ教科書通りにやると負けると思います。

そうなんですか!?

鈴木 例えば、ストキャスティクスという指標がありますが、本を読めば「80以上でデッドクロスしたら売り」と書かれてますけど、実際にはそこからさらに上昇することがよくある。基本的なことを理解しておくのは重要ですが、実戦で単体で使うのは危険なんです。

僕は一応、移動平均線とボリンジャーバンド、トレンドラインだけを表示させています。

鈴木 ポイントは押さえてますね。個人的には移動平均線というのは最高のツールだと思ってますから。

ボリンジャーバンドの真ん中にあるのが移動平均線ですよね?

鈴木 そうです。先ほどのストキャスティクスの例は「ダマシ」と言われますが、移動平均線はダマシが少ない最強のツール。なぜなら、移動平均線と価格の状態を見れば、相場の状況がわかるから。例えば、移動平均線の下に価格があって、移動平均線が下落していたら、それは必ず「下げの波動」。平均が下がり続けているということは、元となる価格が下がり続けていない限りあり得ないですから。

なるほど。

鈴木 移動平均線で大きなトレンドさえ摑んでおけば、上昇トレンドなら買い場を、下落トレンドなら売り場を探せばいい。それを知るために、いかに最良のテクニカルツールの組み合わせを見つけるか、というのがテクニカルの有効な使い方だと思います。そして基本的には単純なほどいい。

Simple is the bestですか。

鈴木 そうです。

教科書的、ということで言うと、例えば上値抵抗線を引けた場合、そこで抑えられるから売る、と言われていると思うんですけど、僕は上値抵抗線で抑えられるんだったら、そこに寄っていくんだろうと思って買うんです。

鈴木 発想の転換で、おもしろい考え方ですね(笑)。でも、投資家それぞれのトレードテクニック、方法論によって、考え方に違いがあっていいと思いますよ。

僕の場合、最初のポジションが大きいので、上値抵抗線の近くで売ると、もしブレイクしたときに、スタートで一気に踏まれて、ニッチもサッチも行かなくなるんです。上値抵抗線から下に離れきったところで買うほうが、下値をイメージできる気がするんです。

鈴木 でも、それだと含み損を抱える時間が長くないですか?

買いポジションの含み損は耐えられるんです。心理的な問題なのかもしれませんが……

鈴木 もともと円高方向に動くスピードは早いですよね。円高になるときは1日に5円くらい下がる。でも、戻るときには一気に5円戻ることはあまりない。逆に言うと、売りから入る場合は一気に下がることをイメージして狙うから、瞬間的な踏み上げは上昇のほうが怖くなるのかもしれないですね。

ただ、最近は下落相場でしか通用しないと感じています。上昇トレンドのときに下値支持線から離れたところで売っても、なかなか押さない。だから僕、負けるときは必ずショートなんです。ショートの場合は口座を丸ごと破壊されるイメージがあります。

鈴木 トレンドに逆らう方法ですから苦しみますよね。ボリンジャーバンドはどういう使い方を?

消す方法がわからないから出してるだけなんですけど(笑)。あ、でも4時間足の実体がボリバンを下に突き抜けて、次の足が下ヒゲをつけたら戻るような気はします。3日に1回くらいしかチャンスがないんですけど(笑)。

鈴木 そういう実戦で摑んだ経験則は重要です。僕は1分足でボリンジャーバンドとエンベロープが近づいたところで、相場が大きく上昇したところは売りサイン、という使い方をしていますが、こう
いうのは教科書には書いていない。でも、実戦で使えるのはそういう経験則で摑んだサインなんです。



鈴木隆一氏
65年生まれ。大和証券でディーラーを務めた後、FX会社数者の設立に参画。
現在はガンパウダー代表として情報提供などを行う。
『テクニカル分析で「勝つ」FX』(実業之日本社)を監修したほか、著書も多数

具っさん
福島出身の33歳。'06年株投資を始め、一昨年FXに転身。
昨年2月〜5月の48営業日で80万円を1億円にした"億"トレーダー。
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