金融マーケットの「恐怖度」を示す、その意味ではリスクをとる動き(リスクオン)か、回避する動き(リスクオフ)かの客観指標であるVIX指数の低位安定が続いてきた。要するに、最近のマーケットは「恐怖度」が極端に薄く、リスクをとる動きが続いてきたことを示している。ただ、このVIX指数はここ数年、6月にかけて急騰、リスクオフ急拡大するパターンが繰り返されてきた。それを考えると予断は許せない。

◆リスクオフの株安、円高は?

 2010年は5月下旬にかけてVIX指数が一気に40ポイントを大きく上回る暴騰に向かった。ユーロ危機の皮切り役になったギリシャ債務危機問題がきっかけだった。また、2011年、2012年は6月にかけて、やはりVIX指数が一気に25ポイント前後へ急騰した。2012年の場合は、ギリシャのユーロ離脱が争点になった再選挙が世界の注目を集める中での出来事だった。

 そしてまだ記憶に新しい昨年も、6月下旬にかけてVIX指数は20ポイント以上へ急上昇した。5月下旬に日経平均が一日で1000円以上の暴落を起こすなど、突如、株高、円安のアベノミクスが大逆流する中での出来事だった。

 以上見てきた過去4年間のケースは、いずれも5月に入る中でVIX指数は比較的低下傾向にあったところ、一転して6月にかけて急騰に向かうところとなっていた。穏やかなリスクオン・ムードが、急に6月にかけてリスクオフ急拡大に変わるパターンが繰り返されてきたわけだ。

 最近もVIX指数は12ポイントを下回るなどヒストリカルな下限での推移が続いている。ただこれまで見てきたように、それはここ数年のパターン通りでもある。そしてここ数年のパターンからすると、6月にかけての恐怖指数上昇リスクは、注目してみたいところだ。

 マーケットの「恐怖度」の拡大、リスクオフの動きは、最近なら株安、円高をもたらすことになるが、果たして6月にそんな動きになるか、注目してみたいところだ。(了)

◆6月の会場及びWEBセミナーのご案内
6月4日=「100万ドルナイト・為替短中期予想セミナー」
6月10日=「100万ドルナイト・為替短中期予想セミナー(追加開催)」
6月11日=為替の学校「M2JFXアカデミア」予測編
6月14日=為替の学校「M2JFXアカデミア」一日集中コース
6月27日=月例WEBセミナー「マーケット先読みLive!」
http://www.m2j.co.jp/seminar/

【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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