順調と思われたアメリカ株式において一つの懸念材料があると言うぐっちーさん。それはハイテク、IT株を中心としたナスダック銘柄だ。これらの下落が招く最悪のシナリオとは? リーマンショック以上ともいうその影響を解説する


◆ナスダック銘柄が引き起こす最悪のシナリオに注意せよ!
(現役金融マン ぐっちーさん)



 このところ順調に値を上げてきたアメリカ株式。特にナスダック指数はテックバブル最高値の5000寸前まで行ったのですが、結局最高値更新はならず、再び4000まで急降下。よく見ると、ナスダック銘柄、すなわちハイテク、IT株を中心に下落が激しい。

⇒【グラフ】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=638651

ナスダック総合指数 一方、アメリカの伝統的企業のコカ・コーラ、P&G、ジョンソンエンドジョンソンのような株式は上がっているので今回の下落はナスダック銘柄が原因なのは明白です。

 これまでIPOや新株発行などの新たな株式を市場に出して資金調達をしますと、一株に一つの議決権があり、広く投資家を募れば当然元経営者やオーナーの支配権は落ちていきました。もし、それらを買い占めるような投資家が出てくれば持ち株比率によっては経営方針や人事に関しても株主総会で左右する力を持ち得ます。これは大量に資金調達できるというメリットの裏側で、民主的に会社を運営することが義務付けられ、株式会社としての社会的責務を負わされるという側面がありました。

 逆に言えば非上場会社は仕方がないが、上場するからには圧倒的に有利なファイナンスとの引き換えに投資家を保護する義務を間接的に株式会社に与えていると言え、根源は一株一議席という株主の権利にあります。ところがこの資本主義の大原則をねじまげる連中がIT、ハイテク産業に次々と登場しました。例えばグーグルは増資に際し、第3のクラスを作成。自分たちの保有する株式のクラスだけは非上場にするという奇怪なファイナンスを行い、一般発売のクラスCとは別にして、支配権が低下することを防ぎました。

 また、フェイスブックもIPOによって資金調達をしましたが、やはり株式をクラス分けして、ザッカーバーグの支配権が低下しないように手を打っています。通常ですと、議決権もないような株式など投資家は見向きもしないはずです。しかしITバブル、そしてナスダック指数の順調な値上がりを背景にこういう極めて「不自然な」株式でも飛ぶように売れる状況がある。そしてこれはとても危険なのです。

⇒【後編】「フェイスブック株に気をつけろ」に続く
http://nikkan-spa.jp/638643


【選者】現役金融マン ぐっちーさん
ウォール街で20年生きてきたノウハウからブログを執筆するアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://guccipost.jp/)を主宰している