吉田 恒 米4月雇用統計で注目のNFPは前月比28.8万人もの大幅増となり、事前予想コンセンサスの21.8万人を大きく上回るポジティブ・サプライズだったが、ドルは反落した。過去2か月連続で、雇用統計発表直後にドルはその月の高値を付けて反落するパターンが続いたが、「2度あることは3度ある」となるだろうか。


◆米株が鍵握る新たな円高の始まり



 過去2か月連続で、ドルは雇用統計発表日にその月の高値を付けると、中旬にかけて反落し、その月の安値を付けるパターンが繰り返された。今回もこのパターン通りになるなら、ドルは今月103円を超えるのは難しく、中旬にかけて下落リスクを試す局面に入るといった見通しになる。

 それにしても、過去2か月の場合も、NFPは事前予想より良かったり、ほぼ予想通りだった。にもかかわらず雇用統計発表日にドル高・円安がピークアウトしたのは、ドル円と相関性の高い米株も高値を付けて反落に転じた影響はあっただろう。

 その米株、5月2日も反落となった。「雇用者数が2年ぶりの大幅な伸びとなったものの、ウクライナ情勢緊迫化への懸念が強まった」(ブルームバーグ)ためとされる。では過去2か月もそうだったのだろうか。

「S&PキャピタルIQのストラテジスト、サム・ストーバル氏のデータによると、S&P500種は10%以上の値下がりを伴わない上昇局面が2年7カ月近く続けている。1945年以降の記録では1年半が平均という」(ブルームバーグ)。

 大幅反落なき米株上昇が過去の記録を超えた動きになっている結果、NFPのポジティブ・サプライズにも素直に反応できなくなっているということではないだろうか。そしてドル安・円高が中旬以降も続き、過去2か月のパターンが崩れるかは、米株がいよいよ10%以上の反落に向かう動きが始まるかがカギだろう。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業。大手投資情報会社で編集長、代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。