新年度に入り、中長期で運用する「投信買い」が急増しているという。なぜか? 外国人投資家が日本株を買い増ししている本当の理由と、今狙っている株を探った


◆JPモルガン・アセット、フィデリティ、ブラックロック。中長期で運用する「投信買い」が急増中!



小川佳紀氏 4月になってから、外資系の投信運用会社がせっせと日本株を買っている。フィスコ・アナリストの小川佳紀氏によると、「中長期の成長株の発掘で定評のあるJPモルガン・アセットマネジメントやフィデリティ投信、そして世界最大の資産運用会社であるブラックロックなど、米系投信が特定の銘柄に的を絞って資金を集中投下しています。しかも、買い増しに動く運用会社が多い」という。

 以下に、大量保有報告書から5%超を保有していることが明らかになった外資系運用会社とその銘柄の一部を記した。

「これらの銘柄は、外国人投資家が中長期保有を前提に腰を据えて運用する“勝負株”と見ていいでしょう」(小川氏)

 楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジストの窪田真之氏は、外国人投資家が狙う銘柄として、「高成長企業やROEの高い企業」を共通点として挙げる。

「以前はアクティビストと呼ばれる“モノ言う株主”が内部留保の厚い日本企業の株を買い、株主への利益還元として大幅増配を迫っていましたが、今では経営効率が高い成長企業への純投資が主流となっています」

 また、日本株が買われる理由として、小川氏は「追加金融緩和への期待感」「7~9月期の景気回復期待」「年始からの株安による割安感」の3つを挙げる。

「日経平均は昨年末の大納会から約15%下落しました。しかも、4~6月は消費税率アップの悪影響から、景気はどれだけ落ち込むかわからないため不透明感が強く、日本株上昇の重しとなっています。ただ、安倍首相は4月15日、首相官邸に日銀総裁を呼んだことで、市場では追加金融緩和を行うとの思惑が強まっています」

⇒【グラフ】「出遅れたままの日本株」はコチラ
http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=630610


日本株 しかも、7月以降は駆け込み需要の反動減も一巡するとみられ、「景気回復が確認できれば、海外勢はまた買ってくるでしょう」と窪田氏も予想している。

⇒【次回】『外国人が狙っている「日本株ベスト10」』に続く
http://nikkan-spa.jp/630495


<大量保有する外国人投資家>

●ブラックロック
信越化学→5.08%
スズキ→5.09%
三井不動産→5.09%

●JPモルガン・アセットマネジメント
PS三菱 7.50%→8.62%
サニックス 6.64%→7.68%
エナリス→5.56%

●インベスコ・アセット・マネジメント
コーエーテクモ 6.03%→8.67%
ツムラ 5.16%→6.80%
ワコム→5.60%

●フィデリティ投信
東京精密 5.86%→7.03%
メイテック 6.91%→7.94%
マキタ→5.03%

●キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー
竹内製作所 5.52%→6.84%
アンリツ→11.15%
丸紅→5.15%

●ウェリントン・マネジメント・カンパニー
JSR 5.10%→6.51%
フェローテック 7.58%→9.02%
牧野フライス→5.08%

【小川佳紀氏】
フィスコ情報配信部株式アナリスト。岡三証券を経て2009年にフィスコ入社。中小型株、新興市場株を中心に個別銘柄分析を担当する

【窪田真之氏】
楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジスト。25年間にわたる投信・年金のファンドマネジャー経験を生かしたマーケットコメントを毎営業日提供

― 外国人投資家が狙っている日本株BEST10【1】 ―