アジアの経済の中心地が東京であったのは、今となっては昔のこと。現在、世界中の大富豪たちや金融関係者が、もっとも注目する都市はシンガポールにほかならない。人も情報も集まる最先端の地では、いったい何が投資や蓄財のトピックとなっているのだろうか? 現地に身を置く有識者たちに最新の投資動向を聞いた


 庶民が不況にあえぐなか、悠々自適な毎日を送る富裕層たちが世界には存在する。彼らは、自分たちの資産をどのように運用しているのだろうか?
 「最近は、日本人をはじめ世界の富裕層がシンガポールに資産を移しています」と語るのは、シンガポールを拠点に活躍する国際税理士の石田秀明氏。海外事業進出や国際金融投資のサポートなども行っており、世界の富裕層からそうした相談が増えているという。

 「シンガポールは税金が安く、最高税率でも20%。日本の50%に比べるとはるかに低い。しかも利子や配当などの資産所得は非課税。実質的にシンガポールの富裕層が納めているのは、消費税くらい。さらに金融が自由なので投資がしやすいのも大きな魅力です」

 そんな富裕層たちは、どれほど特別な投資をしているのかと思いきや、実は意外と堅実なのだという。
 「好況の頃はいろんな投資がありましたが、今は不況。リスクを計算し、消去法で消していくと、結局残るのは先進国を中心とした優良債券になってきます。株を買うとしても大型の上位銘柄くらいです」

 そんな様子見の状況はしばらく続くだろうと石田氏は分析。しかしリスクにまったく手を出さないわけではない。
 「たとえば95%は優良債券に投資する一方で、5%はリスク商品を買う。債券が年利5%で回せれば、最悪リスク商品のほうはゼロになってもほぼ損はしない、リスク商品が伸びれば、大儲けできるという発想です」

 リスク商品といってもそこは世界の富裕層、きちんとリサーチはしているはず。そんな彼らが注目する投資先を紹介していこう。



石田秀明石田秀明氏
税理士。現在は、シンガポールを拠点に企業 の海外進出や国際金融投資のサポートを行っ ている(http://www.global-finance.biz/)