株安、円高のリスクオフとされる相場がじわり広がり始めました。ではこれは一段と拡大するのかについて、今回は考えてみたいと思います。


◆NYダウ1万6千ドルは「運命の分かれ道」なのか!?


吉田 恒氏

なぜここに来て株下落が広がってきたのでしょうか。米景気回復に不安が出てきたわけではないでしょう。4月初めに発表された米3月雇用統計のNFPは前月比19万人増加と「まあまあの結果」でした。

こういった中で、FRBが金融緩和見直しを急ぐ可能性が出てきたわけでもありません。ではなぜ、米株下落リスクは広がってきたのか。

そもそも米株は米景気で説明できる範囲を大きく超えた動きになっていた可能性がありました<資料参照>。その意味では、景気の良し悪しや、金融緩和見直しのペースとは関係なく、景気で説明できる水準への株価の下落はいつ起こってもおかしくないということではないでしょうか。



では、そんな株安がなぜこれまで本格化しなかったのか。それはとてもシンプルに、株を買う動きが続いていたからということはあったでしょう。では、なぜ景気で説明できない株高、いわば「バブル」の可能性もある株価なのに、買う動きが続いてきたのでしょうか。

CFTC統計の投機筋のNYダウ・ポジションが売り越しに転落したのは、2014年2月と2012年11月でした。この両者に共通したのは120日移動平均線をNYダウが割り込んだということでした。ただこの120日線割れは小幅に、一時的にとどまり、その中で、株売り越しも小幅に一時的にとどまったわけです。

以上のように見ると、バブル懸念のある米株ながら、買う動きが続いてきた一因は、120日線を株価が上回っていたというテクニカルな理由だったようです。その120日線は足元1万6000ドル程度。NYダウは先週からそんな120日線割れ含みの展開になってきました。そしてその中で、実はNYダウのポジションも売り越しへ転落したのです。

これまでは、そんな120日線割れが小幅で一時的にとどまったことから、「バブル」懸念がある中でも米株売り本格化には至らなかったのでしょう。ただ、120日線を完全に割り込む動きに向かうようなら、いよいよ「バブル」懸念のある米株を売る動きが本格化する可能性は注目されるのではないでしょうか。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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