ソチオリンピックは終わったが今年はもうひとつ、サッカーW杯というスポーツのビッグイベントが控えている。ファンならずとも注目するこの大会は株価に深い関連があるという。サッカーと株価の関係、そして投資戦略について専門家に聞いた


◆W杯銘柄を先回り買いする方法



samuraiblue「サッカーW杯での日本代表の勝敗は、今年後半の株価や景気を占ううえで非常に重要です」と話すのは、景気動向に詳しい三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストだ。

「4月からの消費増税による消費の落ち込みは避けられませんが、6~7月から回復できれば景気の停滞は一時的なもので終わる可能性もあります。ちょうどその時期に開催されるサッカーW杯で日本代表が活躍すれば、消費が上向いて、株価が上昇することが期待できます」

 サッカーで株価が上がるとは意外な話だが、宅森氏は17年前の「ジョホールバルの歓喜」の例を紹介する。'97年に日本代表がW杯初出場を決めた試合だ。

「日本時間未明に行われたこの試合の翌朝、北海道拓殖銀行の破綻が発表されました。都銀初の経営破綻という大ニュースで、株価は大暴落してもおかしくないのに、この日の日経平均株価は約1200円も上昇したのです。経済を動かしているのは生身の人間ですから、そのマインドが上向けば景気や株価は一気に好転する好例といえます」

◆株価は人気スポーツのビッグイベントに連動?

 過去の例をみると、スポーツイベントが景気や株価に影響していると考えられるケースは非常に多く、特に人気の高いサッカーや国民的スポーツである野球のビッグイベントではその傾向が顕著になるという。たとえば'12年のロンドンオリンピックでも、男女のサッカーで日本代表が勝利した計6試合すべてで、翌営業日の日経平均株価は上昇した。なかでも、強豪を倒した翌日の上げ幅は123円(対スペイン、男子)、171円(対ブラジル、女子)と、特に大きくなっている。

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W杯 また、日本代表が2連覇を果たした'09年のWBC(ワールドベースボールクラシック)では、決勝戦の日の日経平均株価が試合運びと連動したという。中盤までの緊迫した展開では株価も横ばいだったが、9回裏で同点に追いつかれると急落し、その日の最安値をつけた。ところが10回表で日本チームが優勢に転じると、そこから株価は200円以上一気に上昇し、金メダル授与の瞬間にその日の最高値をつけたのだ。ちなみに、この大会期間中に日経平均は1054円上昇しており、初優勝した'06年の第1回大会でも832円上昇したという。

「これまでサッカーW杯の最高成績はベスト16ですが、今回もし初の8強入りを果たすようなことがあれば、株価にこれまでにないインパクトを与えるかもしれません。しかも過去の試合の傾向を見る限り、今回の予選リーグは非常に有利で、決勝トーナメント進出の可能性は高いと考えられます」

 宅森氏によると、これまでのサッカー日本代表は、末尾が4の日に行われた11試合の成績が9勝1敗1分けと勝率が9割を超えているという。今回のW杯では予選リーグ3試合のうち2試合が6月14日と24日(現地時間)と末尾に4がついており、そのジンクスも後押しする!

宅森昭吉氏 「4月以降はだれもが財布を引き締めるでしょうが、大企業を中心に賃上げの動きも見られるので、なにか強力なきっかけがあれば消費マインドは好転できます。その効果が最も期待できるのが、日本代表の8強入りなのです」

 日本代表が初のベスト8入りを果たせば、日本の株価全体の底上げにつながるというのだから否応なしに期待は膨らむ。

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【宅森昭吉氏】
三井住友アセットマネジメントチーフエコノミスト。ESP景気フォーキャスト調査委員会委員、景気ウォッチャー調査研究会(内閣府)委員。著書に『ジンクスで読む日本経済』など

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