吉田 恒 7日発表の米2月雇用統計は、久しぶりに予想より良い結果になり、記録的な寒波などでも米景気回復基調は崩れていない可能性が強まった。では、これで一段と株高、リスク選好相場が広がるかといえば、論理的に考えたら、むしろ逆ではないか。


◆米株高は「バブル」なのか!?



 NYダウは2009年3月から上昇相場がすでに丸5年になった。ではこれは、米景気回復を受けた動きだったかといえばもちろん違う。米景気回復は、たとえば、昨年5月に当時のバーナンキFRB議長が超金融緩和見直しを示唆した前後からと考えるのが普通だろう。

 その意味では、過去5年の米株高は米景気回復の結果とは考えにくい。とくに、代表的な米景気指標の一つであるISM製造業景況指数との関係でみると、2012年頃からは、米景気で説明できる範囲を大きく超えた米株高が展開してきた可能性があった<資料参照>。

※資料はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=605367

景気回復

 以上のように見ると、過去5年の米株高は景気回復以外の局面における期間が長かった。そもそも、今回の米株高のスタート、2009年春は、景気不安を受けて最初にQE、量的緩和を実施したタイミングだ。要するに、過去5年の米株高は、景気不安を受けた超金融緩和局面が大半だった。

 こんなふうに見ると、この米株高の継続には景気不安に伴う超金融緩和と、景気回復のどちらが効果的なのか。普通に考えたら前者であり、そうだとすると、景気回復に伴う超金融緩和見直しの確認こそが、むしろ5年続いた米株高の継続を真に試すものになるのではないか。(了)

【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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