吉田 恒 ウクライナ情勢への懸念が広がる中で、G7のサミットや財務大臣によるロシア非難やウクライナ支援への緊急声明発表が相次いでいる。ではG7はウクライナ要因などを受けた株安、円高というリスクオフを阻止し、リスクオンに誘導することができるのか。


◆G7が効果を発揮するのは行き過ぎたリスクオフ局面



 結論的に言うと、G7の影響力には限界があるのではないか。経験的に、G7がリスクオフの阻止に成功するのは、「恐怖指数」とされるVIX指数が40ポイントを大幅に上回るといった「行き過ぎたリスクオフ」、いわば金融市場がパニックに陥っている局面だ<資料参照>。ところが、足元のVIX指数は14ポイント程度に過ぎない。

※<資料>はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=598705

株安,円高

 近年の代表的なG7緊急声明は、2008年10月27日、2010年5月9日、2011年8月8日に出されたもの。これを受けて、株価は直後に急反発し、振り返ると、当面の下落相場転換のタイミングとほぼ重なっていた。

 この3回は、上述のように、VIX指数が異常な高騰となり、要するにパニック局面だった。パニックにおいて、G7声明は落ち着きを取り戻すために有効なきっかけになったということだろう。

 翻って、足元はパニックでもなんでもない。むしろVIX指数の14ポイント程度というのは、リスクオンの限界圏に近い。その意味では、このG7声明を受けて、リスクオンの株高、円安に向かう余力がそもそも限られ、それどころかG7声明にもかかわらずリスクオフが一段と拡大してもおかしくない状況といえそうだ。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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